MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y. @ プラダ 青山店

 

MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.
2024年5月9日(木)-8月26日(月)
プラダ 青山店(東京都港区南青山5-2-6)
https://www.prada.com/jp/ja.html
開館時間:11:00–20:00
キュレーション:ミア・ロックス
展覧会URL:https://www.prada.com/jp/ja/pradasphere/special-projects/2024/miranda-july-family-prada-aoyama.html

 

小説家、映画監督、アーティスト、ミュージシャンなど多彩な活動で知られるミランダ・ジュライの東京での初個展「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」が、ミア・ロックスのキュレーションの下、プラダ 青山店で開催。本展は、ミラノ・プラダ財団オッセルヴァトリオで開催中のジュライの美術館初個展「Miranda July: New Society」(2024年5月7日-10月14日)と同時開催となる。

ミランダ・ジュライ(1974年バーモント州バリー生まれ)は、ビデオ作品、パフォーマンスやインターネットを使ったプロジェクトを発表しており、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2009)や横浜トリエンナーレ(2008)、ホイットニー・ビエンナーレ(2004、2002)などの国際展に参加。監督、脚本、主演を務めた初の長編映画『君とボクの虹色の世界』(2005)で、2005年のカンヌ国際映画祭のカメラ・ドール(新人監督賞)、サンダンス映画祭審査員特別賞を受賞、数多くの国際映画祭で上映された。続く2作目の長編映画『ザ・フューチャー』(2011)はサンダンス映画祭でのプレミア上映、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門出品など、高い評価を得ている。また小説は23か国で出版され、日本では2010年にフランク・オコナー国際短篇賞を受賞した短編小説集『いちばんここに似合う人』、2015年に『あなたを選んでくれるもの』、2018年に『最初の悪い男』が、それぞれ岸本佐和子訳で新潮社から刊行された。

本展は、ロサンゼルス現代美術館やホイットニー美術館、ニューヨークのMoMA PS1でキュレーターを歴任し、2017年のホイットニー・ビエンナーレではクリストファー・Y・ルーとともに共同キュレーターを務めたミア・ロックスがキュレーションを担当。最新作となるインスタグラムを通じた7人の見知らぬ相手との1年にわたるコラボレーションを元にしたマルチチャンネルビデオインスタレーション《F.A.M.I.L.Y. (Falling Apart Meanwhile I Love You)》を展示。本作は、7人の参加者がジュライからの一連のプロンプトに対するリアクション動画を送信し、それをジュライがSNSコンテンツ向けに開発された無料編集アプリ「切り取り」ツールを使い、自分のスタジオに取り込み制作された。ジュライと参加者がまったく新しい身体言語を通じて親密さと境界線を模索するシュールなパフォーマンスのシリーズとなっている。ロックスは、「これはジュライが好む活動形態です。彼女が交流を開始し、一定程度までコントロールしますが、同時にその中で他人の欲求や行為も歓迎します。彼女は遊び心ある形で、力とコントロールの共有を実験しているのです」と説明。またジュライの作品について、「幅広い人間関係や親密さのあり方を考察しています。既存のヒエラルキーや規範的な力関係に対する彼女の疑問は、紛れもなくフェミニストの立場から発せられており、 それは彼女がこれまでの活動で見せてきた様々な媒体に通じています」と語った。

同時開催のミラノ展でもロックスがキュレーターを務め、上述の《F.A.M.I.L.Y. (Falling Apart Meanwhile I Love You)》のほか、短編映画、パフォーマンス、インスタレーション作品など、1990年代初期の作品から今日に至るまでのジュライの30年に及ぶ活動を紹介している。

また本展では、ジュライとシンディ・シャーマンの対談や、ロックスによるエッセイが収録されたプラダ財団が出版するQuaderniシリーズの図録を販売。7月17日(水)には会場でジュライとロックスの対談が予定されている。

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