記憶:リメンブランス―現代写真・映像の表現から @ 東京都写真美術館


篠山紀信《家 石川県珠洲市》1974年 東京都写真美術館

 

記憶:リメンブランス―現代写真・映像の表現から
2024年3月1日(金)-6月9日(日)
東京都写真美術館 2階展示室
https://topmuseum.jp/
開館時間:10:00–18:00(木曜、金曜は10:00–20:00)入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、4/29、5/6は開館)、5/7
企画担当:関昭郎(東京都写真美術館学芸員)、遠藤みゆき(東京都写真美術館学芸員)、多田かおり(東京都写真美術館学芸員)
展覧会URL:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4548.html

 

東京都写真美術館では、写真・映像が人々のどのような「記憶」を捉えようとしてきたのかを、篠山紀信の『決闘写真論』(1976)における記憶への示唆を起点に、国内外の7組8名のアーティストの作品を通じて、高齢化社会や人工知能(AI)といった今日的なテーマと共に考察する展覧会「記憶:リメンブランス―現代写真・映像の表現から」を開催する。

本展の起点となるのは、篠山紀信(1940-2024/東京生まれ)が中平卓馬との『アサヒカメラ』誌上の連載『決闘写真論』において投げかけた一連のポートレート写真〈誕生日〉と、1970年代に総合月刊誌『潮』に4年間連載した〈家〉。また同作と2011年の東日本大震災を取材した〈ATOKATA〉との対比から、篠山の視点を探る。

米田知子(1965年兵庫県生まれ)は、初期から一貫して、画面に写ることのない不在の存在を想起させる作品を制作してきた。本展では、日露戦争後日本とロシアの国境として定められた北緯50度周辺、DMZ(非武装地帯)、韓国と北朝鮮の北緯38度線の国境地帯で撮影された作品など、東京都写真美術館の所蔵作品を中心に、新作を加えた構成で、「国境線」あるいは国とは何かを問いかける。また、ベトナムの文化と歴史をテーマにさまざまな映像手法を取り入れた作品を発表してきたグエン・チン・ティ(1973年ハノイ、ベトナム生まれ)は、2009年にベトナム初の原子力発電所が建設される計画が発表された際に、ベトナム戦争による破壊を経てなお多くの聖地が残されていたにもかかわらず候補地となったニントゥアン省を取材した《パンドゥランガからの手紙》を日本で初めて公開する。ハノイに拠点を置くティは自身の作品制作のみならず、2007年に自主映画制作者育成のためにハノイ・インディペンデント・ドキュメンタリー&実験映像作家フォーラム「Hi-DEFF」を立ち上げ、2009年には「Hanoi DOCLAB」も創設し、ディレクターを務めている。

 


米田知子《アイスリンク-日本占領時代、南満州鉄道の付属地だった炭坑のまち、撫順》〈Scene〉より 2007年 東京都写真美術館蔵


グエン・チン・ティ《パンドゥランガからの手紙》2015年 東京都写真美術館蔵


作家不詳《(上野彦馬翁銅像再建除幕式)》1951年 東京都写真美術館蔵

 

「記憶」という幅広い領域を横断するテーマに取り組む上で、写真や映像を主たる表現媒体としないアーティストの参加も本展の特徴のひとつ。時代によって置き換えられる公共彫刻に着目し、作品制作と並行して自身で出版社を主宰、美術評論の執筆も手がける小田原のどか(1985年宮城県生まれ)は、本展において、東京都写真美術館所蔵の「上野彦馬関連資料(故梅本貞雄氏所蔵)」を取り上げ、テキストによる新作を発表。彫刻と写真との関連性から、新たな視点の創出を試みる。また、自然界に存在する自己組織化するプロセスなどを制作過程で実践し、反復に介在する自己の意識に関心を向けた作品を発表してきた村山悟郎は、自身の制作した1000枚のドローイングを元に、池上高志のコンセプトによる人工生命(Alife)研究に取り組む「Alternative Machine」、AIからの創造的な表現を試みる「Qosmo」(代表:徳井直生)との共同制作した作品を発表する。

フィンランドにおけるカメラ・オブスクラによる写真表現の第一人者として知られるマルヤ・ピリラ(1957年ロバニエミ、フィンランド生まれ)は、作陶ユニット崔聡子+蔵原智子とのコラボレーションによるプロジェクト〈インナー・ランドスケープス、トゥルク〉を発表する。同プロジェクトを通じて、フィンランドの古都トゥルクに住む高齢者9名に取材し、その内面の世界の写真、映像作品と陶作品による具現化を試みた。

 


村山悟郎《データのバロック- 機械学習のための千のドローイング no.1》2023年 作家蔵


マルヤ・ピリラ《カメラ・オブスクラ / ルース》〈インナー・ランドスケープス、トゥルク〉より 2011年 作家蔵


崔聡子+蔵原智子《ルース》〈インナー・ランドスケープス、トゥルク〉より 2011年 作家蔵

 

関連イベント
アーティスト・トーク(米田知子 x マルヤ・ピリラ)
2024年3月2日(土)13:30–15:30
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料 ※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布

アーティスト・トーク(グエン・チン・ティ)
2024年4月21日(日)16:00–18:00
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料 ※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布

担当学芸員によるギャラリー・トーク
2024年3月1日(金)14:00–
会場:東京都写真美術館 2階展示室
参加費:無料(要チケット提示)

担当学芸員によるギャラリー・トーク(手話通訳付き)
2024年4月5日(金)、5月17日(金)各日ともに14:00–
会場:東京都写真美術館 2階展示室
参加費:無料(要チケット提示)

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