味/処 @ 神奈川県民ホールギャラリー

 

味/処
2023年12月17日(日)-2024年1月27日(土)
神奈川県民ホールギャラリー
https://www.kanagawa-kenminhall.com/
開場時間:11:00-18:00 入場は閉場30分前まで
休場日:木、年末年始(12/30-1/4)
企画構成:中野仁詞(神奈川県民ホール/KAAT神奈川芸術劇場)
共同キュレーター:伊藤まゆみ(京都精華大学展示コミュニケーションセンター特任講師/ギャラリーTerra-Sキュレーター )
吉田有里(アートコーディネーター/名古屋芸術大学准教授)
特設サイト:https://exhibition.kanagawa-kenminhall.com/aji-dokoro/

 

神奈川県民ホールギャラリーでは、昨年の「ドリーム/ランド」と同じく「場所」をテーマに据えた展覧会シリーズの第2弾として、6名のアーティストによるグループ展「味/処」を開催する。

県内最大規模の5室1,300㎡の展示空間を誇る神奈川県民ホールギャラリーは、「日常」をテーマにした展覧会シリーズとして、「日常/場違い」(2009)「日常/ワケあり」(2011)「日常/オフレコ」(2014)の3つの展覧会を2009年から2014年にかけて開催。昨年は新たなテーマとして「場所」を掲げ、グループ展「ドリーム/ランド」を開催した。

昨年に続き「場所」を共通のテーマに引き継ぐ本展は、場所を意味する「処」に、味覚だけでなく、視覚、聴覚、嗅覚、触覚と、五感に訴えかける「味」を並置した「味/処」を展覧会のタイトルに掲げる。身体感覚を刺激する「味」は、時に喜怒哀楽といった感情を引き出し、また「味わい」という言葉には、風情や趣といった、いわゆる情景という意味も含まれ、情景は個に留まらず、個人と他者との間で共有されうるものとなる。本展のキュレーションには、伊藤まゆみ(京都精華大学展示コミュニケーションセンター特任講師/ギャラリーTerra-Sキュレーター )と吉田有里(アートコーディネーター/名古屋芸術大学准教授)が共同キュレーターとして参加し、中野仁詞(神奈川県民ホール/KAAT神奈川芸術劇場)とともに3人体制で手掛ける。さまざまな意味を有する「味」と「処」のふたつのキーワードの下、6名のアーティストの作品を紹介するとともに、美学、表象文化論を軸に精力的な研究や執筆活動を行なう星野太の講演会、振付家兼ダンサーの木原浩太による即興パフォーマンスを開催する。

 


今村遼佑《辞書と街灯》2015年|辞書、ミニチュアの街灯、LED、電池、その他|サイズ可変


川田知志《ノーサイド》2017年|漆喰、顔料、合成樹脂塗料|インスタレーション(サイズ可変)|撮影:怡土鉄夫


倉知朋之介《ムシ図鑑》2022年|インスタレーション(サイズ可変)|映像(11:21)、ダンボール、スクリーン

 

参加アーティストは次の6名。日々過ごすなかで記憶に残ってくるものや、ふとした気づきを元に、ものごとの確かさと不確かさを探求する作品を発表してきた今村遼佑(1982年京都府生まれ)。大学でフレスコ画を学び、都市近郊の均質化した景色をモチーフにしながら現代社会を記憶する壁画を目指して活動を展開している川田知志(1987年大阪府生まれ)。日常生活のなかにある「可笑しさ」を帯びた存在や状況に焦点を当て、映像作品を中心とした制作に取り組む倉知朋之介(1997年愛知県生まれ)。倉知は関連イベントの一環として、本展開幕前の12月8日から会期最終日まで、味奈登庵 総本店の店頭ショーウィンドウで新作映像作品を発表する。

段ボールなどを活用した立体作品や、絵画、ドローイングを組み合わせたインスタレーション、またそこに留まらないパフォーマティブな作品を展開するさとうくみ子(1990年岐阜県生まれ)。会期中の1月6日には、さとうの作品とともに展覧会を鑑賞する体験型鑑賞「一周まわる」が実施される。物事を認識する際に生じた些細な引っ掛かりを起点として、図像と想像の相互関係を検証するプロセスを作品化し、写真・映像をはじめとしたさまざまな表現形態を用いて展開している澤田華(1990年京都府生まれ)。ベニヤや角材などの製材された木材を用いて、言葉や風景を表象的に切り取り、立体化する作品を制作している丸山のどか(1992年新潟県生まれ)。

 


さとうくみ子《おもてなし耳掘り》2021年|ミクストメディア|サイズ可変|撮影:谷澤陽佑


澤田華《漂うビデオ(移動、裂け目、白い影)》2023年|ビデオ、プロジェクター、コピー用紙、水糸、ダブルクリップ、三脚、壁、他|撮影:中村マユ


丸山のどか《曖昧な風景(中華料理店 / 雀荘 / ネオンサイン)》2020年|木材に塗装|サイズ可変|撮影:冨田了平|画像提供:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会

 

関連イベント
倉知朋之介 × 味奈登庵
2023年12月8日(金)-2024年1月27日(土)※鑑賞可能時間は味奈登庵総本店の営業時間に準ずる。
会場:味奈登庵 総本店 店頭ショーウィンドウ(横浜市中区山下町25)

アーティスト × キュレーター トーク
2023年12月17日(日)14:00-15:00
会場:神奈川県民ホールギャラリー展示室内
※予約不要

星野太 講演会
2023年12月23日(土)15:00-17:00
登壇者:星野太(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
会場:神奈川県民ホール6階 大会議室
定員:70名(要予約)
参加費:無料(要展覧会チケット)
予約申込フォーム:https://krs.bz/kanagawaaf/m?f=1551

さとうくみ子 体験型鑑賞「一周まわる」
2024年1月6日(土)11:00-18:00(最終受付:17:30)
会場:神奈川県民ホールギャラリー展示室内受付
※予約不要(受付にて申込)

美術 × 舞踊 アートコンプレックス
木原浩太 即興パフォーマンス
2024年1月20日(土)①14:00- ②16:00-(各回30分程)
パフォーマー:木原浩太(ダンサー/振付家)
会場:神奈川県民ホールギャラリー展示室内
※予約不要

 


木原浩太(撮影:嶋本丈士)

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