梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館


 

梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ
2023年12月1日(金)-2024年1月28日(日)
(1期:12/1-1/14|2期:1/16-1/28)※1期と2期で内容が変化
ワタリウム美術館
http://www.watarium.co.jp/
開館時間:13:00–19:00(最終入館は18:00)
※事前予約制(当日の参加申込は空きがある回に限り開始30分前より美術館1F受付で対応)
休館日:月(1/8は開館)、12/31-1/3
展覧会URL:http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202312/
ツアー時間:13:00以降、毎20分ごとにスタート、所要時間:約50分。
13:00- / 13:20- / 13:40- / 14:00- / 14:20- / 14:40- / 15:00- / 15:20- / 15:40- / 16:00- / 16:20- / 16:40- / 17:00- / 17:20- / 17:40- / 18:00-
定員:各回6名

 

ワタリウム美術館では、建築構造や物理現象を生かしたインスタレーションや、観客回遊型の展覧会、パフォーマンスで知られる梅田哲也による個展「梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」を開催。ワタリウム美術館を舞台に、ワタリウム美術館そのものを主役とした約50分間のツアー形式の展覧会となる。

梅田哲也(1980年熊本県生まれ)は、現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する一方で、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表してきた。近年の主な個展に、「梅田哲也 イン 別府『O滞』」(別府市内各所、2020-2021)、「うたの起源」(福岡市美術館、2019-2020)「See, Look at Observed what Watching is」(ポートランド現代美術研究所[PICA]、2016)。主な公演に、「9月0才」(高槻現代劇場、大阪、2022)、「Composite: Variations / Circle」(Kunstenfestivaldesarts 2017、ブリュッセル)、「INTERNSHIP」(国立アジア文化殿堂、2016/KAAT神奈川芸術劇場ホール、2018)などがある。

 


梅田哲也、newfune23 Photo: Nakao Bibi


梅田哲也、Teiden EXPO 2009 / Installation view

 

本展は、1990年9月にプライベート・ミュージアムとして開館したワタリウム美術館の建築的な側面に焦点を当てた「舞台公演」となる。各回6名を定員とする少人数で巡る約50分間のツアーにおいて、観客はところどころで登場するキャストの行動に誘導されながら、施設内の展示室やバックヤードを巡り、日常の風景を異化させる仕掛けに遭遇する。また、ツアーの一環で、これまで展示室として使用されていなかった部屋も初めて公開されることになる。キャスト、スタッフの詳細、ツアー参加における注意事項、チケットの予約等は、公式ウェブサイトを参照。

 

「頭の中に地図を描くことで、自身の存在が強烈な実感を伴う瞬間があります。たとえばそれは岬の先端に立って、地図上のトンガリに立った自分を想像するようなこと。視線が身体から飛び出して上空から小さな自分を俯瞰しているような感覚。時間や歴史においても同じで、今いる場所にかつて何があったのか、何がおこなわれたかを想像することは、存在を確かなものにしてくれます。これはきっと時間の地図を描くようなことです。

いわゆるホワイトキューブとは異なる独特な展示空間はどのようにして生まれたのでしょうか。美術館がある三角形の土地は、1964年のオリンピックのために建設された道路が住宅密集地を切り裂いたことから発生しました。その直後、和多利一家はこの地へ引っ越してきます。1972年、現在ワタリウム美術館を運営している姉の恵津子が高校生、弟の浩一が中学生になった頃、母の志津子が自宅に現代アートのギャラリーをオープンしました。これがワタリウム美術館の前身であるギャルリー・ワタリです。

自宅の改装から始まった小さなスペースは、世界のアートの中継点として活躍する美術館となっていきました。これまでに100を超える展覧会を開催し、最も多く開催されたシリーズ展覧会のタイトルは「アイ・ラブ・アート」です。
和多利一家の、自分が生きてきた場所で大好きなものを知ってほしいという根源的な動機に触れて、自分もこの美術館のなかで自分なりの好きを探そうと思いました。そして、来館する人たちにもそれぞれのお気に入りを見つけてもらおう。これはそういう展覧会です。」

2023年10月 梅田哲也

 


工事中のワタリウム美術館2階展示室。特注のコンクリート・ブロックを積み上げて、内装を制作中の様子。1990年春ごろ。


旧「ギャルリー・ワタリ」と「オン・サンデーズ」の建物が取り壊された直後。敷地のまわりの柵を準備している。1988年11月末。

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