ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策 @ アーティゾン美術館


左:柴田敏雄《山形県尾花沢市》2018年 作家蔵 右:鈴木理策《サンサシオン 09, C-58》2009年 作家蔵

 

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策
写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
会期|2022年4月29日(金・祝)- 7月10日(日)
アーティゾン美術館 6階展示室、4階展示室内ガラスケース
https://www.artizon.museum
開館時間:10:00–18:00(4/29を除く金曜は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月
企画担当:新畑泰秀(アーティゾン美術館学芸課長)、内海潤也(アーティゾン美術館学芸員)
※日時指定予約制

 

アーティゾン美術館では、石橋財団コレクションの特定の作品からインスピレーションを受けた新作や、コレクションと現代のアーティストの作品のセッションによって生み出される新たな視点で展覧会を構成する「ジャム・セッション」の第3弾として、『写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』を開催する。

鴻池朋子、森村泰昌に続き、写真家の柴田敏雄と鈴木理策のふたりを迎えた今回のジャム・セッションでは、両作家が活動の初期より関心を寄せ続けてきたポール・セザンヌの作品を起点に、現代の写真作品と絵画の関係を問う試みとなる。写真は19世紀半ばの誕生の頃より、美術作品として、記録的な目的ではない絵画的な表現が模索され、その意識はその後も現代に至るまで綿々と続いている。また、写真が発明され普及しはじめた頃と時を同じくして、絵画は印象派をひとつの起点として、それまでの伝統的な表現から大きな変革を繰り返すこととなり、そのモチベーションには写真の存在が少なからずありました。

6つのセクションで構成される本展では、柴田、鈴木両作家とセザンヌの3者の作品の共演、柴田、鈴木両作家と雪舟の3者の作品の共演のほか、柴田が藤島武二やアンリ・マティス、ピート・モンドリアン、鈴木がギュスターヴ・クールベやクロード・モネ、ピエール・ボナールとの共演を試みる。

 


柴田敏雄《ベルギー ゲント》1979年 作家蔵


柴田敏雄《栃木県那須塩原市》2020年 作家蔵

 

柴田敏雄(1949年東京都生まれ)は、ダムや橋といった自然の中の人工的構造物を題材に、自らの作品を絵画との関係を意識して形態を単純化し、かつ主たるモティーフを浮かび上がらせることで見る者の想像力に働きかける写真作品を発表してきた。柴田は、東京藝術大学大学院油画専攻修了後、ベルギーのゲント市王立アカデミー写真科に入り、写真を本格的に始める。大型カメラで撮影した精緻なモノクロプリントを特徴とした作品を発表していた柴田は、1992年に「日本典型」で第17回木村伊兵衛写真賞を受賞し、2000年代よりカラーの作品にも着手するなど、表現の幅を広げていく。2008年の東京都写真美術館の個展『ランドスケープ』や、2012年に国立新美術館で開催された辰野登恵子との二人展『与えられた形象』をはじめ、国内外問わず、数々の展覧会で作品を発表している。

鈴木理策(1963年和歌山県生まれ)は、サント=ヴィクトワール山、セザンヌのアトリエ、桜や雪といった対象を、カメラという機械の知覚を通して、人間がものを「見ること」への問題意識を提示してきた。鈴木は、1987年に東京綜合写真専門学校研究科を修了し、2000年に写真集『PILES OF TIME』(光琳社出版、1999)で第25回木村伊兵衛写真賞を受賞する。その後も2007年の東京都写真美術館での個展『熊野 雪 桜』、2015年の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と東京オペラシティアートギャラリーでの個展『意識の流れ』をはじめ、国内外で数多くの展覧会に参加している。

 


鈴木理策《ジヴェルニー 16, G-41》2016年 作家蔵


鈴木理策《りんご 21, P-13》2021年 作家蔵

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