ゲバルト展:制度の暴力に対する抵抗の変遷 @ 東京日仏学院、CAVE-AYUMI GALLERY、セッションハウス 2Fギャラリー


 

ゲバルト展:制度の暴力に対する抵抗の変遷
2024年5月18日(土)-6月16日(日)
東京日仏学院(東京都新宿区市谷船河原町15)
開廊時間:9:30-19:30(金、日は9:30-17:00/土は9:30-19:00)
CAVE-AYUMI GALLERY(東京都新宿区矢来町114 高橋ビルB2)
開廊時間:12:00-19:00
セッションハウス 2Fギャラリー(東京都新宿区矢来町158)※6/15-16のオールナイト・イベント:夢体験会場
閉廊日:月、6/1、6/2
展覧会URL:https://gewaltdantai.com/ja/

 

2023年5月に東京で設立、同地を拠点に活動する芸術的・政治的団体「ゲバルト団体」による展覧会「ゲバルト展:制度の暴力に対する抵抗の変遷」が、東京日仏学院、CAVE-AYUMI GALLERY、セッションハウス 2Fギャラリーの3会場で開催される。

「ゲバルト団体」は、キュレーション集団として、アレクサンドル・タルバ、平居香子、宮内芽依、 アントワーヌ・ハルプク、ガーリンが立ち上げ、積極的参画の芸術実践や革命運動の歴史、アクション・行動・行為、ゲリラ、儀式、暴動、デモ、市民的不服従、共同体などの反乱の現代的な様式を研究するためのプラットフォームとしても活動している。本展のキュレーションを手がけるアレクサンドル・タルバは、カビール系のフランス人・アルジェリア人の研究者・キュレーターで、現在は東京大学総合文化研究科超域文化専攻表象文化論研究室の客員研究員を務める。

本展タイトルの「ゲバルト」はドイツ語で「暴力」を意味するが、1960年代に日本の国家と警察の暴力に直面した新左翼は、「暴力」を国家の目的に奉仕する暴力、「ゲバルト」をその反動、つまり「反暴力」として捉えた。本展は、反暴力を法維持的暴力に対するすべての抵抗の副産物として、反乱の手段と正当性についての考察と切り離すことはできないものと捉え、展覧会を構想。反乱のメタファーや積極的参画実践に基づいたさまざまな作品を通じて、制度の暴力の中で特定の芸術形態がどのように発展していくかを示すとともに、社会活動、反乱、現代の革命的な闘争における芸術の役割を問い直していく。

 


若松プロジュション(足立正生・若松孝二)『赤軍-P.F.L.P 世界戦争宣言』1971年
ポスター:赤瀬川原平


太湯雅晴《立て看 パビリオン》2024年


嶋田美子《中ピ連を招魂する(海)》写真、120x180cm、2023年

 

メイン会場となる東京日仏学院では、足立正生nadir B. + 三浦一壮Cabaret Courant faible(弱流キャバレー)バディ・ダルル遠藤薫FanXoaジャン゠バティスト・ファーカス太湯雅晴石川雷太城之内元晴三宅砂織ミグリン・パルマヌ嶋田美子と最も多くのアーティストが出品。会期初日の5月18日にはミグリン・パルマヌがパフォーマンス《Anfleuri ankor(また咲いた)》を上演、25日には東京日仏学院が例年開催している「哲学の夕べ」のプログラムの下、展覧会のガイドツアーやユニ・ホン・シャープによる映像作品《ENCORE – Mer | アンコール – 海》の上映も開催。また、6月15日にはジャン゠バティスト・ファーカス、石川雷太が主宰するノイズ・パフォーマンス・ユニット「Erehwon」、nadir B. + 三浦一壮によるパフォーマンスの上演がそれぞれ行なわれる。

CAVE-AYUMI GALLERYでは、制度の暴力に対する抵抗の形として、反暴力と非暴力の差異に焦点を当て、ユニ・ホン・シャープの《Répète | リピート》とキュンチョメの《トラを食べたハト》を展示。日本の植民地主義の記憶を、さまざまな美学的な手法、特に反復とルポルタージュの使用を通して検証する。

セッションハウス 2Fギャラリーでは、会期最終盤の6月15日の23時から翌日の7時30分にかけて、Onirisme Collectifによるオールナイト・イベント:共同夢体験を開催。Onirisme Collectifは、レム睡眠の時間にパフォーマンスをすることで観客の無意識に介入し、共同夢を促すことを目的としたプロジェクトで、個人的体験だと思われている夢の体験を、共同体験に押し上げることを目指している。本展では、Ad Mornings岡本羽衣×fantome experiments今宿未悠山口淳、遠藤薫らがパフォーマーとして参加する。

 


ユニ・ホン・シャープ《Répète | リピート》写真 | Art Award IN THE CUBE 2020


キュンチョメ《トラを食べたハト》抜粋、2018-2020年


ジャン゠バティスト・ファーカス《従う》、《Des modes d’emploi et des passages à l’acte》(使用説明書と行動)からの発言、54頁

 

関連イベント
ジャン゠バティスト・ファーカス『従う』- 収集段階
2024年5月25日(土)-6月9日(日)
※詳細は公式ウェブサイトを参照。

オープニング
2024年5月18日(土)16:00
会場:東京日仏学院

ミグリン・パルマヌによるパフォーマンス:『Anfleuri ankor(また咲いた)』
2024年5月18日(土)18:00
会場:東京日仏学院

第10回「哲学の夕べ」―暴力について
2024年5月25日(土)10:45-21:30
会場:東京日仏学院
プログラム詳細は下記URLを参照
https://culture.institutfrancais.jp/event/nuit-de-la-philo-2024

 


「Erehwon」によるパフォーマンス


nadir B.《Flatness》ミニアチュール、2024年

 

ジャン゠バティスト・ファーカス『従う』- 破壊段階
2024年6月15日(土)17:00-18:00
会場:東京日仏学院

Erehwon :『Now here ≠ Erehwon』
2024年6月15日(土)19:00-19:40
会場:東京日仏学院

nadir B. + 三浦一壮:『Flatness』
2024年6月15日(土)20:00-20:30
会場:東京日仏学院

『Onirisme Collectif#10 -Gewalt-』
2024年6月15日(土)23:00-翌7:30
会場:セッションハウス2Fギャラリー
https://cargocollective.com/onirismecollectif/

 


Onirisme Collectif #9、2023年、コーパヴォグル美術館、アイスランド(伊阪柊『ヘトリスヘイジ』)

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