『扉は開いているかー美術館とコレクション 1982-2022』@ 埼玉県立近代美術館


黒川紀章建築都市設計事務所《埼玉県立美術館(仮称)建設工事基本設計図(立面図)》1979年、埼玉県立近代美術館蔵

 

開館40周年記念展
扉は開いているかー美術館とコレクション 1982-2022
2022年2月5日(土)- 5月15日(日)
埼玉県立近代美術館
https://pref.spec.ed.jp/momas/
開館時間:10:00-17:30 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、3/21、5/2は開館)
※会期中、一部作品の展示替えあり。(前期:3月27日まで/後期:3月29日から)

 

2022年に開館40周年を迎える埼玉県立近代美術館では、開館前後から現代に至るまでの活動、コレクション形成を振り返る展覧会『扉は開いているかー美術館とコレクション 1982-2022』を開催する。

北浦和公園内に位置する埼玉県立近代美術館は、1982年11月3日に『開館記念展 印象派からエコール・ド・パリへ』の開幕とともに開館。以来、多彩な時代・ジャンルの美術や文化を紹介する数々の展覧会を開催するとともに、埼玉県ゆかりの作家の作品を核に国内外の近現代美術の作品資料を収集しつづけ、現在その数は約3,900点に及ぶ。本展では、開館前後の活動、黒川紀章の設計による美術館建築、コレクション形成、同時代のアーティストによるコミッションワークやプロジェクトなど、さまざまな視点から40年間の活動を紐解き、美術館が築いてきた土台を検証するとともに、これからの美術館を展望する。

 


埼玉県立近代美術館開館記念式典、1982年11月2日


斎藤豊作《フランス風景I》1910年頃、埼玉県立近代美術館蔵

 

全4章で構成される本展の第1章「近代美術館の原点―コレクションの始まり」では、埼玉の美術を軸にはじまった美術館の初期の活動を初代館長である本間正義の視点を交えて振り返る。主な出品作家には、開幕記念展で重点的に取り上げられ、現在でもコレクションの核となっている田中保、斎藤豊作、斎藤与里、森田恒友など、埼玉ゆかりの洋画家。

第2章「建築と空間」では、美術館の設計を手がけた黒川紀章のスケッチ・ドローイングや竣工当時の写真資料、北浦和公園内の屋外彫刻作品とその関連資料などを通して、美術館の建築や空間を紐解いていく。本章では、建築を被写体に生活や時間の痕跡を捉えた写真作品を手がける写真家・飯沼珠実が撮り下ろした現在の美術館の姿も紹介する。/p>

 


高松次郎《布の弛み》1970年、埼玉県立近代美術館蔵 ©️ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates


瑛九《雲》1959年、埼玉県立近代美術館蔵


小村雪岱《雪兎》1942年(没後の刷り)、埼玉県立近代美術館蔵

 

第3章「美術館の織糸」では、「1970年代の美術の検証」「ジャンルを越境した多彩な活動で知られる瑛九を起点にしたコレクション形成」「新聞や雑誌の挿絵や図案など大衆文化や複製芸術に軸足を置いた小村雪岱の仕事」という3つの視点から、調査研究や展示、教育普及といった美術館の活動と分かちがたく関わり合いながら成長してきた埼玉県立近代美術館のコレクションを紹介する。

第4章「同時代の作家とともに」では、田中米吉《ドッキング(表面)No.86-1985》や宮島達男《Number of Time in Coin-Locker》など、埼玉県立近代美術館の空間や建築に対して応答するようにして生み出された同時代のアーティストによる作品やプロジェクトを中心に紹介し、美術館と同時代美術との関係に目を向ける。

 

関連イベント
詳細は決まり次第、公式ウェブサイトにて発表。

 


宮島達男《Number of Time in Coin-Locker》1996年、埼玉県立近代美術館蔵


北野謙《「光を集めるプロジェクト」埼玉県立近代美術館屋上から(西)2015冬至-2016夏至》2017年、埼玉県立近代美術館蔵

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