CHRISTIAN BOLTANSKI – ANIMITAS II @ エスパス ルイ・ヴィトン東京


「アニミタス 死せる母たち」、死海、イスラエル 2017年 Courtesy of the Foundation Louis Vuitton  ©Adogp, Paris 2019
Photo credits: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

 

CHRISTIAN BOLTANSKI – ANIMITAS II
2019年6月13日(木)-11月17日(日)
エスパス ルイ・ヴィトン東京
http://www.espacelouisvuittontokyo.com/
開館時間:12:00-20:00
休館日: ルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる
入場無料

 

エスパス ルイ・ヴィトン東京では、クリスチャン・ボルタンスキーの「アニミタス」シリーズに属する2本の映像作品を紹介する展覧会『ANIMITAS II』を開催している。

クリスチャン・ボルタンスキー(1944年パリ生まれ)は、1967年以来、記憶・追悼と時間を主要なテーマに、自身の人生だけでなく、無名もしくは身元不明の人々の人生の出来事に題材を求め、自伝的要素や歴史への言及を有した制作に一貫して取り組んでいる。子どもの肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせた「モニュメント」シリーズ(1985-)や、大量の衣服を集積させた「ペルソンヌ」(2010)をはじめ、その表現方法は著述、フィルム、彫刻、写真など多岐にわたる。

これまでに、上海、エルサレム、アムステルダム、東京、エジンバラ、バレンシア、モンテレイなど、世界各地で個展を開催しており、2010年にはパリのグラン・パレで現代美術家ひとりに焦点を当てた展覧会『モヌメンタ』に招待された。ドクメンタには3度、ヴェネツィア・ビエンナーレにはフランス館の代表となった2011年を含め、2度参加している。日本国内では、1990年から91年にかけて、ICA 名古屋と水戸芸術館で初個展を開催。その後も越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭への複数回参加をはじめ、多数の展覧会に参加。2006年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2016年には東京都庭園美術館で個展を開催し、2019年には大規模回顧展が国立国際美術館、国立新美術館で開かれている。

本展に先立つ2017年には、同シリーズの「アニミタス」(2014)と「アニミタス(白)」(2017)をエスパス ルイ・ヴィトン ミュンヘンで発表しており、これらに続く第2章となる本展では、ボルタンスキーの近年における最も野心的なプロジェクトのひとつ、「アニミタス」シリーズから、「アニミタス(ささやきの森)」(2016)と「アニミタス(死せる母たち)」(2017)のふたつの映像作品を紹介する。「アニミタス」の原点は、死者を祀る路傍の小さな祭壇へのオマージュとして、人里離れた広大な野外に設置されたインスタレーション。本シリーズの第1作目となったインスタレーションでは、チリのアタカマ砂漠を舞台にボルタンスキーが誕生した日に南半球で見られた星空が再現された。その後、同じ配置を基本としながら再解釈されたインスタレーションが、日本の豊島では「ささやきの森」(2016)、ケベックのオルレアン島では「白」(2017)、イスラエルの死海のほとりでは「死せる母たち」(2017)として3つの土地で発表されている。本展は、これまで未公開のフォンダシオン ルイ・ヴィトン所蔵作品を東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京のエスパス ルイ・ヴィトンで展示する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として企画された。東京・六本木の国立新美術館で開催中の大規模回顧展と併せて、フランス現代美術を代表するボルタンスキーの制作活動の全貌をつかむ貴重な機会となるだろう。

 


「アニミタス ささやきの森」、日本 2016年 フル ビデオ、カラー、音声 12時間 52分 21秒 Courtesy of the Foundation Louis Vuitton ©Adogp, Paris 2019   Photo credits: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton


「アニミタス ささやきの森」、日本 2016年 展示風景、エスパス ルイ・ヴィトン 東京、 2019年フルビデオ、カラー、音声 12時間 52分 21秒 Courtesy of the Foundation Louis Vuitton ©Adogp, Paris 2019   Photo credits: Jérémie Souteyrat/Louis Vuitton

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