大竹伸朗 ビル景 1978-2019 @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー


大竹伸朗「放棄地帯」2019年 ©︎ Shinro Ohtake, Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo, Photo by Kei Okano

 

大竹伸朗 ビル景 1978-2019
2019年7月13日(土)-10月6日(日)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
http://www.arttowermito.or.jp/
開館時間:10:00-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、7/15、8/12、9/16、9/23は開館)、7/16、8/13、9/17、9/24
企画:井関悠(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

 

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、1980年代初頭から、絵画を中心に、印刷、音、写真や映像など多彩な表現を展開し、現代美術のみならず幅広いジャンルに影響を与えてきた大竹伸朗の個展『ビル景 1978-2019』を開催する。近年はヴェネツィア・ビエンナーレやドクメンタなど、国際的な活動にも注目の集まる大竹だが、本展は関東では2006年の東京都現代美術館での『全景 1955-2006』以来、13年ぶりの美術館での個展の実現となる。

大竹伸朗(1955年東京都生まれ)は、80年代初頭より本格的な作品の発表をはじめ、『アゲインスト・ネイチャー:80年代の日本現代美術』(ICA名古屋ほか、1989)、『日本ゼロ年』(水戸芸術館現代美術ギャラリー、1999)、『時代の体温 ART/DOMESTIC』(世田谷美術館、1999)など、日本を代表する現代美術のアーティストとして注目を集める。2006年に東京都現代美術館全館を使った大規模な回顧展『全景 1955-2006』を開催以降、ソウルのアートソンジェ・センター(2010)、高松市美術館(2013)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2013)、INAXライブミュージアム世界のタイル博物館(2013)、ロンドンのパラソルユニット現代美術財団(2014)、シンガポールのSTPI(2016)などで個展を開催している。また、2012年のドクメンタ(13)や2013年の第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展「エンサイクロペディック・パレス」をはじめ、光州ビエンナーレ2010、瀬戸内国際芸術祭(2010、2013、2016)、ヨコハマトリエンナーレ2014など、数々の国際展でも作品を発表している。そのほか、直島の「シップヤード・ワークスシリーズ」「はいしゃ<舌上夢/ボッコン覗>」「直島銭湯 I♥湯」、女木島の「女根/めこん」、豊島の「針工場」、札幌の「北の空に浮かぶカタチ」、伊方町の「種景」など、パブリックワークも多数。執筆活動においても、最新エッセイ集『ナニカトナニカ』のほか、エッセイ集『見えない音、聴こえない絵』『ビ』(いずれも新潮社)、絵本『ジャリおじさん』(福音館書店)などを発表している。現在も、月刊文芸誌『新潮』にエッセイ「見えない音、聴こえない絵」を連載中。

 


大竹伸朗「Bldg.」1984年 ©︎ Shinro Ohtake, Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo, Photo by Kei Okano


大竹伸朗「車窓」2000-2001年 高松市美術館蔵 ©︎ Shinro Ohtake, Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo, Photo by Kei Okano

 

本展では、大竹が1970年代から現在まで約40年間にわたって描き続けてきた「ビル景」という絵画シリーズに注目し、多数の未発表作品から最新作まで800点以上を調査し、ビルシリーズ全作品集の発行とあわせて、可能な限り展示することで「ビル景」シリーズの全貌を明らかにする。本展に先立って開かれた熊本市現代美術館での展示に比べ、大型の立体作品など新作数点を加えるなど、同名の展覧会ながらも展示構成、出品作品を大幅に変更し、水戸芸術館現代美術ギャラリーの空間を圧倒的な作品数とスケールで埋め尽くす。

会期初日には、アーティスト・トークをみと文化交流プラザ大会議室で開催し、トーク終了後にはサイン会を開催する。また、大竹デザイン「ビル景」展ロゴや描き下ろしドローイング、フォトコラージュをプリントした特製 T シャツや、亜鉛凸版による本展ポスターのスペシャルエディションを制作し、既に刊行されている画集『大竹伸朗 ビル景 1978-2019』(HeHe 刊)とあわせて、水戸芸術館ミュージアム・ショップ「コントルポアン」にて販売する。

同時開催の「クリテリオム」では、フランスを拠点に活動する村上華子(1984年生まれ)の個展を現代美術ギャラリー第9室で開催する。村上は、写真の古典技法や活版印刷術など複製技術の起源に関心を寄せ、技術と不可分にある「見ること」の構造を緻密な調査を通して解きほぐし、今日の視点からその可能性に焦点を当てた作品を発表している。本展では、村上が2018年に実施したゲッティ・リサーチ・インスティチュートとジョージ・イーストマン博物館での黎明期写真の調査に基づく最近作を発表する。

 

関連プログラム
大竹伸朗 アーティスト・トーク
2019年7月13日(土)13:30-15:00(開場:13:00)
場:みと文化交流プラザ大会議室(6F)(水戸市五軒町1-2-12 ※水戸芸術館より徒歩1分)
定員:200名(先着順、予約不要)
無料
※上記トーク終了後、水戸芸術館エントランスホールにて「サイン会」を30分程度予定。

 

 

 


 

クリテリオム96 村上華子
2019年7月13日(土)-10月6日(日)
現代美術ギャラリー第9室
企画:後藤桜子(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

 


村上華子「Untitled(ROC18.9.27, I/S)」2018年 Courtesy of Taka Ishii Gallery

Copyrighted Image