「ピアニスト」向井山朋子展 @ 銀座メゾンエルメス フォーラム


Installation concert for you, Stadschouwburg Haarlem, the Netherlands, 2003, ©Werry Crone

 

「ピアニスト」向井山朋子展
2019年2月5日(火)-2月28日(木)
銀座メゾンエルメス フォーラム
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/
開館時間:日毎に異なるため最下部の表、あるいは公式ウェブサイトを参照
休館日:会期中無休

 

銀座メゾンエルメス フォーラムでは、ピアニストとして国際的に活動するとともに、従来の形式にとらわれない舞台芸術やインスタレーションにも取り組む、アムステルダムに拠点を置くアーティスト、向井山朋子の個展『ピアニスト』を開催する。

向井山朋子は、音楽が演奏される空間とそれに関わる演奏者や観客らの知覚に関心を持ち、自己と他者の身体性、セクシュアリティ、演奏と記憶など、さまざまな境界を横断、侵犯、共存する作品の演奏、制作を試みている。1991年にガウデアムス国際現代音楽演奏コンクールに優勝。93年には優れた音楽家に与えられる村松賞を受賞。オランダのロイヤル・コン セルトヘボウ管弦楽団やニューヨーク・フィルハーモニックをはじめ、世界の楽団にソリストとして招聘され、新作の初演に多数携わる。2014年にはオランダ国内の年間ベストダンス・パフォーマンスに与えられるディオラフテ・ダンス賞、2016年には第11回日本ダンスフォーラム賞を受賞している。

 


Installation performance Woman in the Dunes, Oerol Festival 2016, Terschelling, the Netherlands, 2016, ©Tomoko Mukaiyama


Installation performance La Mode, National Taichung Theater, Taiwan, 2016, ©National Taichung Theater

 

2005年の横浜トリエンナーレで発表した「for you」では、横浜みなとみらいホールの客席数2,020席の大ホールで、たったひとりの観客のためのピアノコンサートを実施。観客の選定方法にはオークションが採用された。コンサート終了後には記録音源のマスターテープをアクリルで封印したオブジェを作成、横浜みなとみらいホールに展示した。その後も大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭、あいちトリエンナーレ2013、さいたまトリエンナーレ2016などに参加。2007年には向井山朋子ファンデーションをオランダに、2015年には一般社団法人○+(マルタス)を日本で設立し、音楽のみならず美術、建築、ファッション、ダンス、写真など幅広い分野とのコラボレーションやプロデュースの分野でも活動を展開している。

ピアノのパフォーマンスをベースとした本展は、2月5日より、毎日異なる内容のパフォーマンスが約50分から120分演奏され、ギャラリー会場はパフォーマンスの前後の時間を含む4時間だけのオープンとなる。初日の2月5日は11:00から15:00、2月6日は12:00から16:00と、毎日1時間の時差を伴いながら最終日の2月28日まで、銀座メゾンエルメス フォーラム内で時間がゆっくりと回転していく。ギャラリーを訪れる観客は、意図的にずらされた非日常の回転盤の上で、「ピアニスト」のインスタレーションの一部となることを受け入れ、一方、向井山は観客を「開かれており、無防備で、可能性に満ちた作品のパートナー」として受け入れることとなる。

 

「ピアニスト」のピアノの森には小さなアップライトからコンサートグランドまで、さまざまなピアノが転がっている。大きい声を出したい時にはコンサートグランドを、嗄声で囁くように唄いたい時には調律の狂ったアップライトを。
「ピアニスト」の空間には、ピアノで作られた物陰があり、必要であればひっそりと身を置きたい観客、そしてピアニストのための空間がある。
「ピアニスト」の空間にはピアノの形をした寝台のような、棺桶のような黒い箱が置かれている。ピアニストが寝ている間も練習できるよう、死んでからもピアノが弾けるように。
向井山朋子(本展プレスリリースより)

 


※当日、やむを得ぬ事情により演奏時間を変更する可能性あり。
※ 時刻は24時間表記。18日と19日の開館・パフォーマンスの時間は一部重なる

Copyrighted Image