高松市美術館開館30周年記念『やなぎみわ展 神話機械』@ 高松市美術館


やなぎみわ「女神と男神が桃の木の下で別れる:川中島」(部分)2016年 作家蔵

 

高松市美術館開館30周年記念
やなぎみわ展 神話機械
2019年2月2日(土)-3月24日(日)
高松市美術館
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/
開館時間:9:30-19:00(日曜は17:00まで)入室は閉館30分前まで
※2/2(土)、2/3(日)はライブパフォーマンスのため、16:30に展覧会場のみ閉室
休館日:月(ただし、2/11は開館)、2/12
展覧会担当:毛利直子(高松市美術館学芸員)

 

高松市美術館では、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館代表の経験を持ち、近年は舞台制作を中心とした活動を展開しているアーティスト、やなぎみわの10年ぶりとなる大規模個展を開館30周年記念展として開催する。

やなぎみわ(1967年兵庫県生まれ)は、1990年代中頃より、制服を身につけた案内嬢が商業施設空間に佇む「エレベーターガール」をはじめ、若い女性をモチーフに、CGや特殊メークを駆使した写真作品で注目を集める。2000年代に入ると、女性が空想する半世紀後の自分を写真で再現した「マイ・グランドマザーズ」や少女と老婆が登場する物語を題材にした「フェアリーテール」などを国内外の多数の美術館で発表し、2008年には東京都写真美術館で個展『マイ・グランドマザーズ』を開催。2009年に第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館で個展を実現する。2010年にやなぎみわ演劇プロジェクトを立ち上げ、大正期の日本を舞台に村山知義、土方与志ら新興芸術運動の揺籃期を描いた1924三部作を美術館と劇場で公演。第三部の「1924 人間機械」は2012年に高松市美術館でも上演した。その後も、日清戦争期のパノラマ館を扱った「PANORAMA」、続いて、太平洋戦争期の「東京ローズ」を扱った「ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ」(同作はあいちトリエンナーレ2013で発表したのち、2015年にはアメリカ合衆国、カナダ数カ所を巡回)を上演。さらに、ヨコハマトリエンナーレ2014を皮切りにステージトレーラー・プロジェクトを立ち上げ、PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015を経て、トレーラー車をステージの母体とした野外演劇「日輪の翼」を横浜、新宮、高松、大阪、京都で上演した。また、やなぎは同舞台に並行し、2016年から日本神話をモチーフに桃を撮影した新作写真シリーズ「女神と男神が桃の木の下で別れる」に取り組み、昨年、高雄市立美術館の企画展『Still Waters Run Deep』やベルリンのLoock Galerieで発表している。

 


やなぎみわ「神話機械・スケッチ」2018年 作家蔵


やなぎみわ「My Grandmothers : MINEKO」2002年 高松市美術館蔵

 

高松市美術館を皮切りに、アーツ前橋、福島県立美術館、神奈川県民ホールギャラリー、静岡県立美術館を巡回する本展『神話機械』に向けて、やなぎは京都、高松、前橋、福島の大学や高専、高校と連携し、小型の機械がシェイクスピアやハイナー・ミュラーなどの戯曲の一場面を演じる「モバイル・シアター・プロジェクト」を立ち上げた。本展では、機械による神話世界「モバイル・シアター・プロジェクト」や、上述した新作写真シリーズ「女神と男神が桃の木の下で別れる」を発表する。また、「モバイル・シアター・プロジェクト」の一環として、やなぎみわ構成・演出によるライブパフォーマンス「MM」を2月2日と2月3日に上演。そのほか、「エレベーターガール」、「マイ・グランドマザーズ」、「フェアリーテール」といった代表作や、近年取り組んできた舞台作品の資料や映像の展示を交えて、現代美術と演劇を往還するやなぎの制作活動の全貌を明らかにする。

なお、会期中の関連イベントとして、上述のライブパフォーマンスのほか、やなぎみわによるトークショーやワークショップを開催。そのほか、地元、香川高等専門学校高松キャンパス機械システム研究部の出展協力によるロボット教室などを行なう。

 


「ライブパフォーマンス “MM”」チラシ

 

関連イベント
ライブパフォーマンス“MM”
構成・演出:やなぎみわ
出演:高山のえみ
音楽:内橋和久
2019年2月2日(土)、2月3日(日)開演:19:00-(受付:18:30)
会場:高松市美術館2階展覧会場
定員:各日80名(全席自由席)※未就学児の入場は不可
入場料:2,500円
申込方法:美術館1階受付にて販売(電話予約可:087-823-1711)
※2/2のチケットは完売(1/22現在)
※当日券を若干数発売予定。詳細は1/31以降に要電話問合せ(087-823-1711)
イベント詳細:https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/exhibitions/exhibitions/ex/ex_20190202.files/lmm_2019.pdf
※2/2(土)、2/3(日)はライブパフォーマンスのため、16:30に展覧会場のみ閉室

やなぎみわトークショー
2019年3月9日(土)14:00-15:30(開場:13:30)
会場:高松市美術館1階講堂
定員:80名(先着順)、無料

やなぎみわワークショップ「機械と朗読」
2019年3月10日(日)13:30-16:00
会場:高松市美術館1階講堂
定員:15名(先着順)※中学生以上
受講料:500円
申込方法:2月5日(火)8:30より、電話受付開始

ロボット教室
2018年度NHK高専ロボコン全国大会に出場したロボットの紹介展示や実演、高専生が作ったミニロボットの操縦体験(出展協力:香川高等専門学校高松キャンパス機械システム研究部)
2019年3月16日(土)13:00-15:00
会場:高松市美術館1階講堂
対象:小学生以下(未就学児は保護者同伴)
※無料、予約不要

そのほかの関連イベントは公式ウェブサイトを参照

 

ART iT Interview Archive
やなぎみわ「1924——転換期の芸術」(2011年9月)

 


やなぎみわ「Untitled I」2004年 作家蔵

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