インポッシブル・アーキテクチャー——もうひとつの建築史 @ 埼玉県立近代美術館


映像制作・監督:長倉威彦、コンピューター・グラフィックス:アンドレ・ザルジッキ/長倉威彦/ダン・ブリック/マーク・シッチ、「ウラジーミル・タトリン「第3インターナショナル記念塔」(1919-20年)」、コンピューター・グラフィックス、1998年

 

インポッシブル・アーキテクチャー——もうひとつの建築史
2019年2月2日(土)-3月24日(日)
埼玉県立近代美術館
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/
開館時間:10:00-17:30 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、2/11は開館)
監修:五十嵐太郎(東北大学教授)

 

埼玉県立近代美術館では、建築史家の五十嵐太郎を展覧会監修に迎え、20世紀以降に国内外で構想された未完の建築に焦点をあてた企画展『インポッシブル・アーキテクチャー——もうひとつの建築史』を開催する。

建築の歴史を振り返ると、そこには私たちが実際に目にするさまざまな建築だけでなく、具体的に計画されたにもかかわらず完成に至らなかった構想や、あえて実現を目指さず提案に留めたアイディアが数多く存在している。つまり、文化としての建築の厚みは完成したものだけでなく、こうした未完の建築(アンビルト)にも支えられていると言えよう。ときに、未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制度によって実施できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未完の建築には、建築家の思考や夢がより直接的に表現されているのかもしれない。

本展では、20世紀以降の国内外のアンビルトの建築を仮に「インポッシブル・アーキテクチャー」と称し、建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的に建築における極限の可能性や豊穣な潜在力の可視化を試みる。ウラジーミル・タトリンがロシア革命後に構想した「第3インターナショナル記念塔」、藤本壮介がセルビアのベオグラードに構想した「ベトンハラ・ウォーターフロント・センター」、新国立競技場基本構想国際デザイン・コンクールの最優秀案に選ばれながらも、実現に至らなかったザハ・ハディド・アーキテクツ+設計JV(日建設計、梓設計、日本設計、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン設計共同体)の「東京・新国立競技場」など、建築家のみならず、会田誠荒川修作+マドリン・ギンズカジミール・マレーヴィチ岡本太郎山口晃ら、アーティストによる作品も紹介する。なお、本展は埼玉県立近代美術館を皮切りに、新潟市美術館、広島市現代美術館、国立国際美術館を巡回予定。

 


村田豊「ソビエト青少年スポーツ施設」模型写真、1972年、個人蔵


藤本壮介「ベトンハラ・ウォーターフロント・センター」、コンピューター・グラフィックス、2012年

 

主な出品予定作家(アルファベット順)
会田誠、安藤忠雄、アーキグラム、荒川修作+マドリン・ギンズ、ヤーコフ・チェルニホフ、ヨナ・フリードマン、藤本壮介、マーク・フォスター・ゲージ、ピエール・ジャン・ジルー、ザハ・ハディド・アーキテクツ+設計 JV(日建設計、梓設計、日本設計、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン設計共同体)、ジョン・ヘイダック、ハンス・ホライン、石上純也、磯崎新、川喜田煉七郎、菊竹清訓、レム・コールハース、黒川紀章、ダニエル・リベスキンド、前川國男、カジミール・マレーヴィチ、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、長倉威彦、コンスタン・ニーヴェンホイス、山口文象(岡村蚊象)、岡本太郎、セドリック・プライス、エットレ・ソットサス、スーパースタジオ、瀧澤眞弓、ウラジーミル・タトリン、ブルーノ・タウト、ジュゼッペ・テラーニ、山口晃、村田豊

 

関連イベント
クロストーク
出演:五十嵐太郎(本展監修者・東北大学教授)x 建畠晢(埼玉県立近代美術館館長)
2019年2月11日(月、祝)14:30-16:30(開場:14:00)
場所:埼玉県立近代美術館2階講堂
定員:100名(当日先着順)、無料

レクチャー「インポッシブル・アーキテクチャーの起源と未来」
講師:今村創平(千葉工業大学教授)
2019年2月23日(土)14:30-16:00(開場:14:00)
場所:埼玉県立近代美術館2階展示室

 

※そのほかの関連イベントは公式ウェブサイトを参照

 

 


 

2018 MOMASコレクション 第4期
2019年1月12日(土)-4月14日(日)
埼玉県立近代美術館 1階展示室

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