イケムラレイコ 土と星 Our Planet @ 国立新美術館


イケムラレイコ「頭から生えた木」2015年、陶、30x37x24cm、個人蔵、ドイツ Courtesy Galerie Karsten Greve

 

イケムラレイコ 土と星 Our Planet
2019年1月18日(金)-4月1日(月)
国立新美術館
http://www.nact.jp/
開館時間:10:00-18:00(金曜、土曜は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:火
展覧会URL:http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/Ikemura2019/

 

国立新美術館では、バーゼル美術館との共同企画により、1970年代からスペイン、スイス、ドイツと長くヨーロッパを拠点に活動するアーティスト、イケムラレイコが大規模個展『イケムラレイコ 土と星 Our Planet』を開催する。

イケムラレイコ(三重県生まれ)は、何かが生まれる途上に潜在している、いまだはっきりとは見えない無限の可能性を表現するという芸術的課題に取り組んでいる。1970年より、大阪外国語大学スペイン語学科に在籍したが、72年に日本を離れスペインに渡り、セビリア美術大学に入学する。79年にチューリッヒ、83年にニュルンベルク、84年にケルンへと移り住み、現在はベルリンとケルンに拠点を置く。79年にルツェルンでの個展以来、ボン・クンストフェライン(1983)、バーゼル現代美術館(1987-88)、豊田市美術館(2000)、聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館(2005)での個展をはじめ、日本とヨーロッパを中心に数多くの展覧会で作品を発表してきた。その間、2008年にはアウグスト・マッケ賞を受賞。近年の主な個展には、2011年の東京国立近代美術館と三重県立美術館での大規模個展『イケムラレイコ うつりゆくもの』をはじめ、カールスルーエ州立美術館(2013)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(2014 ※2006年以来二度目)、ニュルンベルク新美術館(2014)、ケルン東洋美術館(2015)、ヘッチェンス陶磁器博物館(2017)などがある。また、1991年から2015年まで、ベルリン芸術大学で教授、2014年より女子美術大学で客員教授を務めている。

 


イケムラレイコ「頭から生えた木」2015年、陶、30x37x24cm、個人蔵、ドイツ Courtesy Galerie Karsten Greve


イケムラレイコ「うねりの春」2018年、顔料/ジュート、190x290cm、作家蔵

 

新表現主義が絵画を席巻していた時期に画家としての活動をはじめたイケムラは、女性であることや異邦人であることの困難に抵抗するかのような荒々しい絵画、多様な線で構成されたユーモラスで人間味あふれるドローイングなどを制作するが、90年代以降の制作には、名もない小さな動物や無垢な少女たち、母と子、木々や山と一体化した人物、誕生と死を含みこむ神話的な原始の風景などが現れてくる。また、絵画に限らず、彫塑や写真、映像、詩など多岐にわたる表現方法を試み、東日本大震災を経て、2011年以降は、「社会に向き合う態度をより意識するようになった」と語る。

本展は、初期のドローイング約40点や表現主義風の絵画から、40年にもわたる芸術的探求を経て、始原の物語を神話的スケールでつむぎ出そうとする大画面の山水画まで、イケムラが手がけてきたすべてのメディアを網羅した内容となる。2000平米の展示室と野外展示場を使い、その活動を多面的に追体験できるように、プロローグとエピローグを含む16セクションで構成。展示構成は上述した『イケムラレイコ うつりゆくもの』と同様、建築家のフィリップ・フォン・マットとの協働による。なお、本展を共同企画したバーゼル美術館では、2019年5月から9月にかけて、東京展を再構成した巡回展が開催される。

 


Left:イケムラレイコ「花嫁」1990年、陶、97.5x45x31cm、作家蔵. Right:イケムラレイコ「母とミコ」1995年、陶、91xφ55cm 、個人蔵、ドイツ.

 

関連イベント
レクチャー「イケムラレイコの素描について」
講師:アニータ・ハルデマン(バーゼル美術館版画素描室ヘッド・キュレーター)
2019年1月18日(金)13:30-15:00(13:00開場)
場所:国立新美術館3階 研修室AB
定員:70名(先着順)
聴講無料、要観覧券(半券可)

スペシャルトーク
講師:イケムラレイコ x ヨーゼフ・ヘルフェンシュタイン(バーゼル美術館館長)
2019年1月18日(金)16:00-17:30
場所:国立新美術館1階 展示室1E
定員:100名(先着順)
聴講無料、要観覧券(半券可)

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