国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる @ 国立新美術館


国立新美術館 ANZAÏフォトアーカイブ 1970-1979年 ©Estate of Shigeo Anzaï

 

国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる
2022年10月8日(土)– 11月7日(月)
国立新美術館 企画展示室2E
https://www.nact.jp/
開館時間:10:00–18:00(金・土は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:火
展覧会URL:https://www.nact.jp/exhibition_special/2022/doit/

 

国立新美術館では、同館主要資料である安齊重男のANZAÏフォトアーカイブや美術関連資料の紹介を通じて、1970年代のパフォーマンスやコレクティヴ(集団制作)といった美術動向を振り返るとともに、当時のアーティストの制作意識や発表方法の広がりに注目することで、現在に通じる資料の読みの可能性を探る展覧会『国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる』を開催する。

1960年代後半以降、新たに生まれた芸術の動向は、写真や映像、印刷物や郵便による通信、イヴェントやパフォーマンスなどにより多様化していった。その背景には、1964年の東京オリンピック、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)を経て、日本社会が高度経済成長を遂げ、物質的な豊かさを取り戻すとともに、映画、テレビをはじめとするマスメディアの変遷を経験したことが挙げられる。同時に、それは二度にわたる安保闘争や公害問題などにより、社会の矛盾や既成の共同幻想の虚構性があらわになり始めた時代でもあった。

 


国立新美術館 ANZAÏフォトアーカイブ 「グループ361° 多摩川、東京」1973年 ©Estate of Shigeo Anzaï


第6回「精神生理学研究所」原本 1970年

 

本展では、同時代の表現を追い作家たちの伴走者として記録しつづけた安齊重男の写真をガイドラインに、1970年代の美術の系譜を振り返りながら、THE PLAY、精神生理学研究所、松澤宥、水上旬らの試みを例に距離を超えて展開された70年代美術のネットワークを辿る。また、自宅など作家個人が日常生活を送る空間を舞台にして同時多発的に行われた展示を、指示書や写真によって記録した「点展」、画廊主で評論家の山岸信郎が所有していた資料を元に、榎倉康二、島州一、高山登、長重之、原口典之らの取り組みを紹介、菅木志雄が屋外で試みた展示やパフォーマンスの記録を読み解く。

 


島州一《南側》記録写真 「点展」戸塚、神奈川 1973年


国立新美術館 ANZAÏフォトアーカイブ 「菅木志雄 《状為論(為相)》 常盤公園、東京」1977年©Estate of Shigeo Anzaï

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