鈴木昭男「階段に物を投げる」1963年（雑誌『デザイン』(1976)ための再演）photo: Nanae SUZUKI
鈴木昭男 音と場の探究
2018年8月4日（土）-10月21日（日）
和歌山県立近代美術館 １階展示室B
http://www.momaw.jp/
開館日時：9:30-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日：月（ただし、9/17、9/24、10/8は開館）、9/18、9/25、10/9
和歌山県立近代美術館では、1960年代より「聴く」側から音と場の関わり方を模索してきた日本におけるサウンド・アートの先駆者のひとり、鈴木昭男の活動を資料などで振り返る特集展示『鈴木昭男 音と場の探究』を開催する。
鈴木昭男は1941年平壌生まれ。終戦後に滋賀県蒲生郡武佐村（現在の近江八幡市）に引き揚げ、愛知県小牧市に移る。現在は京都府在住。1963年、名古屋駅のホームの「階段に物を投げる」ことに始まる、自然や環境の音を探る空間への「なげかけ」や「たどり」を「自習イベント」を行なう。70年代にはエコー楽器「ANALAPOS（アナラポス）」などを創作し、身近な素材を使ったサウンド・イベントを数多く実施した。76年に東京・南画廊で初個展『音とオブジェと音具展』を開催。以来、フェスティバル・ドートンヌ・パリ（1978）やドクメンタ８（1987）など、国際的な場での活動も本格化していく。88年には子午線上にある京都府網野町（現在の京丹後市網野町）で、一日中自然の音に耳をすます「日向ぼっこの空間」を発表。90年代に入ると、「聴く」という行為を鈴木独自の思考や方法によって探究したサウンド・インスタレーションを数々の美術館やギャラリーで発表。また、代表的な試みのひとつ、自然や都市の風景に耳を澄ます「点音（おとだて）」は96年にベルリンで発表して以来、世界各地で試みられており、日本では2005年に和歌山市内と熊野古道なかへち美術館周辺にて初めて開催された（和歌山県立近代美術館、田辺市立美術館、熊野古道なかへち美術館の共催）。この秋にはボン市立美術館でのインスタレーションの発表も控えている。
ドクメンタ8（カッセル）でのパフォーマンス 1987年 photo: Terry FOX
鈴木昭男「日向ぼっこの空間」1988 photo: Junko WADA
また、本展と会期が重なるかたちで、田辺市の熊野古道なかへち美術館の開館20周年記念特別展として、『鈴木昭男 －内 在－』が開催される。本展では、「音の内在」をテーマとした新作を美術館の内外に設置し、美術館の存する環境について再考、再認識を迫る内容となる。鈴木は会期初日にオープニングパフォーマンス「な げ か け－na ge ka ke－」、最終日にはダンサーでアーティストの宮北裕美とともにクロージングパフォーマンス「た ど り－ta do ri－」を行なう予定。なお、熊野古道なかへち美術館は「美術作品を新しい空間で見せ、アートを通じた交流の場を生み出す」という構想のもと、1988年に中辺路町立美術館として開館。SANAAが手がけた最初の美術館となった。2005年の市町村合併により現在は田辺市立美術館の分館として新たなスタートを切っている。
関連企画
鈴木昭男トーク＆パフォーマンス
2018年8月5日（日）14:00-
会場：和歌山県立近代美術館１階展示室Bおよび２階ホール
要観覧券、申込不要
鈴木昭男 和歌山市内での点音 2005年
鈴木昭男「階段」のためのスケッチ 2018年
開館20周年記念特別展
鈴木昭男 －内 在－
2018年10月6日（土）-11月25日（日）
熊野古道なかへち美術館
http://www.city.tanabe.lg.jp/nakahechibijutsukan/
開館時間：10:00-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日：月（ただし、10/8は開館）、10/9
関連企画
オープニングパフォーマンス 鈴木昭男
な げ か け－na ge ka ke－
2018年10月6日（土）18:00-
会場：熊野古道なかへち美術館交流スペース
定員：40名（要予約、先着順）、無料、小学生以上
※申込は9/15（土）10時から電話で予約の受付を開始
申込先：田辺市立美術館（0739-24-3770）
クロージングパフォーマンス 鈴木昭男x 宮北裕美（ダンサー／アーティスト）
た ど り－ta do ri－
2018年11月25日（日）14:00-
会場：熊野古道なかへち美術館交流スペース
要観覧券、申込不要
なつやすみの美術館８ タイムトラベル
2018年7月7日（土）-9月2日（日）
和歌山県立近代美術館 ２階展示室
http://www.momaw.jp/
開館日時：9:30-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日：月