コレクション展2022-夏秋 特集:1960s−1980s 関西の現代美術「再見」

森村泰昌《だぶらかし 肖像C》1988年 和歌山県立近代美術館蔵

和歌山県立近代美術館のコレクション展では、所蔵品を通じて幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、さまざまな特集コーナーを設けながら作品の紹介を続けています。今回の特集では、当館が開館した1970年前後に制作され 、当館に結集したコレクションを通して、その現代美術の現場を「再見」します。

1960年から1980年代にかけて、京都や兵庫、そして和歌山をはじめとする関西の「近代美術館」で、数多くの現代美術展が開かれました。これらの展覧会に出品された作品群は、当時の果敢な美術家たちによって生み出され、従来の表現の枠を超える新たな地平を切り開くものでした。しかしここには、すでに戦前から「前衛」活動を展開していた作家たちが加わっていたことも見逃せません。

また、同時代美術は、その宿命として、当時まだ理解されることもなく、今日ほど評価されていたわけではありません。若い作家たちが競うように出品していた美術館の展覧会会場も来館者は少なく、批判を超えなければならない時代でもあったのです。 それから半世紀近くを経て、ようやくかつての作品が生み出された時代が再考できるようになりました。

当館は、1983年から「関西の美術家シリーズ」展を開催し、関西の最前線の動向を紹介して、 いち早くこれらの作家たちの作品収集にも着手していました。そこで今回の特集展示では、「1.  戦前の『前衛』からの持続」「2. 『近代美術館』の誕生と『現代美術』の動向」「3.  1970年代の新たな展開」「4.  1980年代への持続」の4章構成で関西の現代美術を「再見」するとともに、当館所蔵の戦前の「前衛」作品もあわせて紹介します。

 

会場 和歌山県立近代美術館 1階展示室
会期 2022年07月16日(土)~09月25日(日)
開館時間 9時30分〜17時[入場は16時30分まで]
休館日 月曜日(ただし、7月18日、9月19日は開館し、7月19日、9月20日休館)
観覧料 一般 350(270)円、大学生 240(180)円  ( )内は 20 名以上の団体料金
*高校生以下、65 歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料
*7月23日、8月27日、9月24日(毎月第4土曜日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
*8月7日、9月4日(毎月第1日曜日)は観覧無料
主催 和歌山県立近代美術館
関連事業 和歌山県立近代美術館のサイトをご覧ください
元永定正《無題》1972年 和歌山県立近代美術館蔵
小清水漸《花・赤い》1986年 和歌山県立近代美術館蔵

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