崇高さに関する抽象的な覚書

Joanne Kyger《DESCARTES》(部分) 1968 ©Estate of Joanne Kyger, Courtesy of University of California, Berkeley Art Museum and Pacific Film Archive

 

展覧会という枠組みを用いておこなわれる抽象的考察

 

「崇⾼さに関する抽象的な覚書」は、アーティストの⽥⼝和奈が着想したグループショウで、同じくアーティストの松原壮志朗が展覧会の構成を担当する。それ自体が展覧会という枠組みを用いておこなわれる抽象的考察である。

 

『参加作家のひとりであるジョアン・カイガーは、アメリカ現代詩におけるさまざまな派閥と広く交流をもちながらも、独自のスタイルを確立した詩人であった。ビートニクの運動がそうであったように、彼女の作品も「瞑想」や「仏教」、とりわけ「禅宗」からの影響を受けている。カイガーは1968年にデカルトの「方法論」を題材に「DESCARTES AND THE SPLENDER OF A real Drama of Everyday Life. In Six Parts.」と題した詩をもとに「Descartes」と題したヴィデオ作品を制作している。このカイガーの残した生涯唯一のヴィデオ作品とストーリーが、この展覧会の霊感(インスピレーション)であり、かつ骨子である。

展覧会の構成では、主にふたつのことを試みる。グループショウという枠組みを捉え直し、その上でグループショウの可能性を模索すること。「近代美術」あるいは「現代美術」というカテゴリーの垣根を越え、作品の固有の振る舞いが、場の特性の中で静かなダイナミズムを生み出すこと。展覧会自体がひとつの言外のマニフェストとなることを意識した。』

 

出品作家
ジョアン・カイガー、イワオ・カゴシマ、アンソニー・カロ、岸田劉生、クレメット、須田国太郎、田口和奈、田中敦子、トリシャ・ドネリー、古屋誠一、パトリシア・L・ボイド、三木富雄、ナンシー・ルポ、アラン・ロンジノ、エミリア・ワン ほか

 

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崇高さに関する抽象的な覚書

会期:2024年3月30日(土) — 6月9日(日)
開館時間:10:00–17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし4/29、5/6は開館)、4/30(火)、5/7(火)
会場:広島市現代美術館 展示室B-2、B-3(広島市南区比治山公園1-1)
観覧料:一般1,100円 (850円)、大学生800円 (600円)、高校生・65歳以上550円 (400円)、
中学生以下無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
※前売券は広島市現代美術館受付、オンラインショップ「339」
チケットぴあ〈Pコード 686-838〉でお求めいただけます(販売は3/29まで)
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/reflection_on_the_sublime

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