森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青)》2016年 作家蔵
森村泰昌:自画像の美術史—「私」と「わたし」が出会うとき
2016年4月5日(火)-6月19日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00(金曜は19:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5/2は開館)
展覧会公式ウェブサイト:http://morimura2016.com/
展覧会担当:植松由佳(国立国際美術館主任研究員)
国立国際美術館では、日本を代表するアーティストとして国際的に活躍する森村泰昌の、地元・大阪の美術館では初の大規模個展『森村泰昌:自画像の美術史—「私」と「わたし」が出会うとき』を開催する。
森村泰昌は1951年大阪府生まれ。85年に制作したゴッホの自画像に扮するセルフ・ポートレイト以降、一貫して「自画像的作品」をテーマに、絵画の登場人物や映画女優、歴史上の有名人物に扮するセルフ・ポートレイトを手掛けている。88年に第43回ヴェネツィア・ビエンナーレ アペルト、翌89年にはアメリカ合衆国7都市およびICA名古屋を巡回した『アゲインスト・ネイチャー 80年代の日本美術』展で作品を発表、以後、国内外の数多くの展覧会で作品を発表している。近年の主な個展として、『なにものかへのレクイエム/戦場の頂上の芸術』(2010、東京都写真美術館)、国内各地の美術館を巡回した『森村泰昌 モリエンナーレ まねぶ美術史』(2010-2012、高松市美術館ほか)、『森村泰昌 レンブラントの部屋、再び』(2013、原美術館)、『森村泰昌展:ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る』(2013、資生堂ギャラリー)、『Theater of the Self』(2013-2014、アンディ・ウォーホル美術館)が挙げられる。また、マニフェスタ10(2014)やPARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭(2015)といった国際展への参加のほか、2014年にはヨコハマトリエンナーレ2014のアーティスティック・ディレクターを務めている。
森村泰昌《自画像のシンポシオン》2016年 作家蔵
本展の構成は、森村がこれまで取り組んできた自画像の美術史の集大成とも言える。第1部の〈自画像の美術史〉では、森村が美術/美術史に触れる前のポートレイト写真から、上述した「肖像(ゴッホ)」、そのほか、レオナルド・ダ・ヴィンチ、レンブラント、ゴヤ、フリーダ・カーロ、松本竣介ら日本近代美術の作家たち、岡本太郎ら日本の前衛作家、デュシャンやシンディ・シャーマン、アンディ・ウォーホルなどに扮した森村の作品が紹介される。自画像になることを通じて表れてくるアーティストや作品への森村の解釈、ダ・ヴィンチ以降の西洋美術史における自画像への森村による批評を窺うことができる。第2部の〈「私」と「わたし」が出会うとき〉では、森村が自画像を描くさまざまな芸術家に扮し、自画像によって描き出される「私」とは何なのかを論じる新作映像作品を発表。全編60分を超える、森村初の長編映像作品。撮影は映像作家の藤井光が務めた。また、第1部と第2部をつなぐ作品として、ダ・ヴィンチに範を取って制作された「自画像のシンポシオン」(2016)も出品。森村の自画像論、そして「私」の探求が展開される。
会期中には、本展出品の映像作品の撮影に使われた北加賀屋の名村造船所跡地、森村も運営に関わる「釜ヶ崎芸術大学」の活動拠点の大阪・西成区の釜ヶ崎で森村が手掛けた展覧会を開催。そのほか、全10回の連続講座「新・美術寺子屋/自画像の話」を国立国際美術館と名村造船所跡地で開催。詳細は下記およびウェブサイトを参照。
Above:森村泰昌《自画像の美術史(マグリット/三重人格)》2016年 作家蔵
Below:森村泰昌 映像作品《「私」と「わたし」が出会うとき―自画像のシンポシオン―》(2016年 作家蔵)から
関連企画
森村泰昌連続講座「新・美術寺子屋/自画像の話」
第1回|2月27日(土)|国立国際美術館(※会期前実施)
「レオナルド・ダ・ヴィンチ~自画像にはきっとウソがある」
第2回|3月12日(土)|国立国際美術館(※会期前実施)
「カラヴァッジョ~ナイフが絵筆に変わるとき」
第3回|4月17日(日)|国立国際美術館
「ベラスケス~画家はなぜ絵の中に登場したのか」
第4回|5月3日(火・祝)|名村造船所跡地
「レンブラント~すべての「私」は演技である」
第5回|5月15日(日)|国立国際美術館
「フェルメール~自画像を描かなかった画家について」
第6回|5月22日(日)国立国際美術館
「ゴッホ~ひとつの「私」を、ふたつの命が生きるとき」
第7回|5月29日(日)|国立国際美術館
「フリーダ・カーロ~つながった眉毛のほんとうの意味とは」
第8回|6月5日(日)|国立国際美術館
「ウォーホル~ウォーホルはポップではない 」
第9回|6月12日(日)|名村造船所跡地
「ニッポンの自画像~時代が青春であったとき」
第10回|6月19日(日)|国立国際美術館
「自画像のゆくえ、あるいは最後の自画像」
国立国際美術館での開催
開催時間:14:00-
定員:130名
無料(※要観覧券)
※当日10:00から、当日分の整理券を配布(1名につき1枚)
※Ustream中継あり。Ustream 国立国際美術館
名村造船所跡地での開催
開催時間:14:00-15:30
参加費:1,000円(別途入場料500円)
詳細はNAMURA ART MEETING ’04-‘34
関連展覧会
NAMURA ART MEETING ’04-’34 vol.05
「臨界の芸術論Ⅱ—10年の趣意書」森村泰昌アナザーミュージアム
2016年4月2日(土)-4月4日(月)
2016年5月3日(火、祝)-5月5日(木、祝)
2016年6月10日(金)-6月12日(日)
「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」オープン記念プロジェクト
森村泰昌+坂下範征「Our Sweet Home」
2016年4月3日(日)オープン
ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム(大阪市西成区太子2-3-3)