郭徳俊 ニコッとシェー 1960年代絵画を中心に @ 国立国際美術館


郭徳俊「ニコッとシェー」1966年 作家蔵

郭徳俊 ニコッとシェー 1960年代絵画を中心に
2014年2月1日(土)-5月11日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00(金曜は19:00まで)最終入場は閉館30分前まで
休館日:月(※4/28、5/5は開館)

雑誌『TIME』の表紙を飾った歴代アメリカ大統領の顔と自身の顔を半分ずつ繋ぎ合わせた「大統領シリーズ」をはじめ、アイロニーとユーモアを備えた独創的な創作活動で知られる郭徳俊の1960年代の絵画作品に焦点を当てた展示『郭徳俊 ニコッとシェー 1960年代絵画を中心に』が国立国際美術館で開催される。

郭徳俊は1937年京都生まれ。第二次世界大戦後に日本国籍を剥奪され、在日韓国人2世として生きる。20代で結核を患い三年間もの療養生活を送り、死を意識しつつも作品制作に取り掛かる。その後、半世紀近くにわたり、「無意味なものを意味化せず、事実を確認する」という姿勢のもと、絵画、写真、版画、パフォーマンス、映像と多様な形で創作活動を展開した。第11回国際サンパウロ・ビエンナーレ(1971)をはじめ世界各地の国際版画展に出品。92年には横浜美術館アートギャラリーにて個展『郭徳俊展』を開催。2000年代に入ると、光州ビエンナーレへの参加や、新潟市美術館(2001)、韓国国立現代美術館(2003)での大規模な展覧会が続き、一昨年にも開館20周年を迎えた光州市立美術館で個展を開催している。


郭徳俊「夜の笑A」1968年 作家蔵

本展では、国立国際美術館ならびに作家所蔵の作品から、郭の芸術家としての出発点となった60年代の絵画作品に焦点を当てる。郭は一時期絵画を離れていたために、80年代半ばの絵画制作の再開とともに関心と評価が高まり、98年には有楽町朝日ギャラリーにて個展『郭徳俊の絵画:もう一つの60年代』展が開かれている。若き日に患った大病、在日韓国人として向き合った時代との軋轢、そのような境遇にあった20代の郭にとって、生きる「よすが」であった絵画制作から生まれた石膏と胡粉で盛り上げた、まるで岩のように頑強な絵肌を持つ絵画作品を通して、若き郭が思考し、見つめたものに想いを巡らせる機会となる。

なお、会期中には郭本人による記念講演会「私の歩んできた道」や、国立国際美術館主任研究員の安來正博による講演会「郭徳俊の芸術世界」が予定されている。

関連イベント
記念講演会「私の歩んできた道」
郭徳俊
2014年2月22日(土)14:00-
会場:国立国際美術館B1階 講堂
定員:130名(先着順)無料
※午前10時から整理券を配布

講演会「郭徳俊の芸術世界」
安來正博(国立国際美術館主任研究員)
2014年4月12日(土)14:00-
会場:国立国際美術館B1階 講堂
定員:130名(先着順)無料
※午前10時から整理券を配布

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