ガブリエル・オロスコ展 —内なる複数のサイクル @ 東京都現代美術館


ガブリエル・オロスコ「La DS カーネリアン」2013年

ガブリエル・オロスコ展 —内なる複数のサイクル
2015年1月24日(土)-5月10日(日)
東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/
開館時間:10:00-18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし、5/4は開館)5/7

東京都現代美術館では、1990年代以降の現代美術を代表するアーティストのひとりとして、ありふれた物や何気ない風景の中にひそむ詩的な要素を現す実践で知られるガブリエル・オロスコの代表作や最新のカンヴァス作品を紹介する日本初個展『ガブリエル・オロスコ展 ―内なる複数のサイクル』を開催する。企画は東京都現代美術館 チーフキュレーターの長谷川祐子、東京都現代美術館の西川美穂子、吉崎和彦。

ガブリエル・オロスコは1962年ハラパ(メキシコ)生まれ。父親はメキシコ壁画運動の第三世代として知られるマリオ・オロスコ・リベラ。メキシコ国立自治大学、シルクロ・デ・ベジャス・アルテス(マドリッド)で美術を学ぶ。80年代後半より、思惟と職人的な技術に基づく新しいコンセプチュアリズムの形を提示することで頭角を現すと、93年には第45回ヴェネツィア・ビエンナーレ・アペルトやニューヨーク近代美術館の「Projects」で作品を発表する。その後も、パリ市立近代美術館(1995、1998)やサーペンタイン・ギャラリー(2004)など世界各地で個展を開催。2009年から2011年にかけて、ニューヨーク近代美術館、バーゼル市立美術館、ポンピドゥー・センター、テート・モダンで大規模な巡回回顧展を実施。ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003、2005)やドクメンタ(1997、2002)をはじめ、数多くの国際展、企画展に参加している。2001年には横浜トリエンナーレに参加し、パシフィコ横浜会場にスーツケースの作品「無題」(2001)を展示した。


ガブリエル・オロスコ「Cats and Watermelons」1992年

本展では、三分割した自動車の中央部を取り除いて、再び両側部分を張り合わせた彫刻作品「La DS」や、フェンスの隙間に小石を詰めたり、販売用に並ぶすいかの上に缶詰を置いたり、日常的な状況への介入を記録した写真作品、日常の中で見過ごされそうな現象を記録した写真作品、最新のカンヴァス作品などが展示される。そのほか、卓球やビリヤード、チェスなどの既存のルールを変更することで、それらのゲームに新たな空間を見出だす作品のうち、「ピン=ポンド・テーブル」も展示され、展示会場で実際に遊ぶことができる。

人工物も自然物はすべて地球上に質量を持って存在し、移動や変化を繰り返しながら流転し続ける。オロスコ自身、国や地域を限定することなく、時どきに応じて移動を続けることで、さまざまな文化に触れつつも特定の文化に固執することなく、事物の本質を見逃さない目で世界を眺めようと試みる。

会期中には、オロスコによる講演会や、同時開催の『菅 木志雄 置かれた潜在性』(1月24日-3月22日)との共同企画として美術批評家の松井みどりによるレクチャー、チーフキュレーターの長谷川によるギャラリー・ツアーなどが予定されている。また、『菅 木志雄』展のほか、企画展『未見の星座(コンステレーション)—つながり/発見のプラクティス』(1月24日-3月22日)、開館20周年記念 MOTコレクション特別企画『コレクション・ビカミング』(1月24日-6月28日)も同時開催。


ガブリエル・オロスコ「ピン=ポンド・テーブル」1998年 金沢21世紀美術館 蔵

関連イベント
東京都現代美術館開館20周年記念事業
ガブリエル・オロスコによる講演会
2015年1月24日(土)15:00-
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂

『菅木志雄』展『ガブリエル・オロスコ展』共同企画
松井みどりによるレクチャー
2015年1月31日(土)15:00-
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂

東京都現代美術館 チーフキュレーター 長谷川祐子によるギャラリー・ツアー
2015年4月18日(土)15:00-(予定)

※そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。

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