アンドレアス・スロミンスキー「GOOOD LUCK」@ ワコウ・ワークス・オブ・アート


Andreas Slominski The Horse Shoe (2017), plastic, rivets, 215 x 138 x 26 cm © Andreas Slominski, Courtesy of WAKO WORKS OF ART, Installation view at Museum Jorn, Silkeborg, Photo: Robert Schlossnickel

アンドレアス・スロミンスキー「GOOOD LUCK」
2017年11月1日(水)-12月2日(土)
ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝

ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、1980年代後半より、哲学的な問いかけと無意味さの魅力が同居する作品制作を続けるドイツのアーティスト、アンドレアス・スロミンスキーの個展『GOOOD LUCK』が開催される。

アンドレアス・スロミンスキーは1959年ドイツ・メッペン生まれ。現在はベルリンとハンブルクを拠点に活動する。1980年代後半から日用品を模した彫刻作品や謎めいたギミックを伴うパフォーマンスの発表を続ける。歴史と日常にありふれた主題を扱うスロミンスキーの作品は、代表的なシリーズ「Trap(罠)」や「Windmill(風車)」など、一見レディメイドやダダイズムとの単純な関係を想起させるが、慎重に選ばれたモチーフは謎掛けや隠喩に富み、意味を見出す/奪うという単純な駆け引きだけでは解決できない側面を作品にもたらしている。これまでに、ハンブルク現代美術館、フランクフルト現代美術館(MMK)、ドイツ・グッゲンハイム美術館、クンストハレ・チューリッヒ、ボネファンテン美術館、プラハ財団美術館などで個展を開催。ミュンスター彫刻プロジェクト(1997)、第1回横浜トリエンナーレ(2001)、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003)など、国際展にも数多く参加している。2017年6月には、デンマークのヨルン美術館で個展が開催された。

2017年の新作で構成する本展は、馬蹄や聖母子像などの、欧州の通俗的なラッキーチャームにまつわる題材を、トイレや水洗タンクに使われる簡素なポリエチレン製の素材でかたどった、立体的なレリーフ作品を展示する。「トイレ」はスロミンスキーが近年、象徴的に扱う題材のひとつ。展示作品のタイトルには、それぞれ「The Horse Shoe」や「Good Luck」といった、世俗の迷信や俗言そして幸運と関わりの深い言葉が用いられ、無味乾燥とした素材に不可思議な類推を呼び込む。型の作品は「扉」の形状が隠され、謎めいた佇まいと工業的な無機質さを同時に喚起するものとなっている。


Andreas Slominski The Ribs (2017), plastic, wood, 53.5 x 43.5 x 13 cm © Andreas Slominski, Courtesy of WAKO WORKS OF ART, Photo: Robert Schlossnickel

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