李傑(リー・キット)展 The voice behind me @ 資生堂ギャラリー


man in suit (2014) Copyright the artist, Courtesy ShugoArts Photo by ANPIS FOTO

李傑(リー・キット)展 The voice behind me
2015年6月2日(火)-7月26日(日)
資生堂ギャラリー
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/
開廊時間:11:00-19:00(日曜、祝日は18:00まで)
休廊日:月

資生堂ギャラリーでは、前回のヴェネツィア・ビエンナーレに香港代表として参加、現在は台湾を拠点に活動するリー・キット[李傑]の個展『The voice behind me』を開催する。

リー・キットは1978年香港生まれ。香港中文大学で画家としての教育を受けるも、布や段ボールを支持体とした絵画や照明やタオルハンガーといった既製品と絵画を組み合わせた作品など、多彩なメディアを横断しながら、従来の絵画にとらわれない制作を展開している。リーの作品は淡い色調を特徴としつつも、個人的な経験、身のまわりの社会や政治状況に対する問題意識を基にしている。上述したヴェネツィア・ビエンナーレのほか、2013年には中国本土、台湾、香港、マカオ出身の若手アーティストを対象として新設されたヒューゴ・ボス・アジア・アート賞の最終候補に選出された。また、現在開催中の第12回シャルジャ・ビエンナーレに参加、今後もゲント現代美術館やウォーカー・アート・センターでの個展を予定している。

本展では、不安、孤独、呼吸などをキーワードに、これまでの代表作のほか、新作としてテキストを施した布に描いた絵画や段ボールに描いた絵画、ギャラリーの空間に合わせた映像作品を展示する。このようなキーワードの背景には、彼がこれまで滞在してきたあらゆる都市で感じた政治や社会的格差へのフラストレーション、日常生活に伴うストレス、逃れようのない孤独といったネガティブに捉えられがちな感情がある。しかし、リーは「悲観的であることは楽観的でもある」と、現状に押しつぶされることなく、したたかに生きていくには、このような柔軟な態度が重要だと捉えている。そうした態度は、自分が慣れ親しんでいると同時に疎外されていると感じる声が常に背後にあり、その存在はほとんど耐え難いが、受け入れるしかないという本展タイトルにも反映されている。会期中には、作家本人によるギャラリーツアーも開催。

関連イベント
ギャラリーツアー
リー・キット
2015年6月6日(土)14:00-
会場:資生堂ギャラリー
※申込不要


Left: it doesn’t help me (2014) Copyright the artist, Courtesy ShugoArts Photo by Shigeo Muto. Right: An afternoon (2014) Copyright the artist, Courtesy ShugoArts Photo by Shigeo Muto. Below: Installation of ‘You (you).’ – Lee Kit, Hong Kong at the 55th International Art Exhibition La Biennale di Venezia (2013) Courtesy the artist, M+, WKCDA and HKADC Photo by David Levene

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