Zai Kuning Ruang yang tersembunyi – Hidden space in solitary (2016) Copyrights of the artist Courtesy of Ota Fine Arts
ザイ・クーニン『オンバ・ヒタム』
2016年4月23日(土)-6月11日(土)
オオタファインアーツ
http://www.otafinearts.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニングレセプション:4月23日(土)18:00-
オオタファインアーツでは、シンガポールを代表するアーティストのひとり、ザイ・クーニンの個展『オンバ・ヒタム』を開催する。
ザイ・クーニンは1964年シンガポール生まれ。既存のジャンルに捕われることなく、絵画、彫刻、映像、音楽、演劇、パフォーマンス、詩など多様な表現形式で作品を発表している。96年に自身がディレクター兼パフォーマーを務めるダンスシアター「メタボリック・シアター・ラボラトリー(MTL)」を立ち上げ、東南アジアの儀式に浸透している身体言語や動きを探求する。2000年頃からマレーの歴史や文化、とりわけリアウ諸島のオラン・ラウト(海の民)の考察を深めていき、彼らの歴史、文化の復興を記録したドキュメンタリー「リアウ諸島」(2003)を制作。同作品は福岡アジア美術館にも収蔵されている。これまでに、第3回福岡アジア美術トリエンナーレ(2005)、第3回シンガポール・ビエンナーレ(2005)、第2回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(1996)に参加。近年、金沢21世紀美術館の『誰が世界を翻訳するのか』(2015)、横浜美術館などを巡回した『Welcom to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術』(2013)と日本国内での発表も続いている。
本展では、ザイ・クーニンが多様な黒を描いた新作ドローイングを中心に発表する。展覧会タイトルの「オンバ・ヒタム」は黒潮を意味し、出品作品の「Ruang yang tersembunyi – Hidden space in solitary」(2016)は、水をたっぷりと含んだインクで描かれ、大小の黒いフォルムが重なりあい、繊細な濃淡の動きを内包しながらひとつのまとまりを成している。大小の島々から成り、さまざまな形での海との結びつきのもとに人々が暮らしているリアウ諸島と日本との間に流れ、多くの文化を運び伝えてきた黒潮への思いが多層的な表現となって表れる。