ブブ・ド・ラ・マドレーヌ「花粉と種子」 @ オオタファインアーツ 7CHOME


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ《POLLEN AND SEEDS_002》2024年

 

ブブ・ド・ラ・マドレーヌ「花粉と種子」
2024年2月17日(土)-3月30日(土)
オオタファインアーツ 7CHOME
https://www.otafinearts.com/ja/about/7chome/
開館時間:12:00–18:00
休廊日:日、月、祝
展覧会URL:https://www.otafinearts.com/ja/exhibitions/306-pollen-and-seeds-bubu-de-la-madeleine/

 

オオタファインアーツ 7CHOMEでは、同会場では初となるブブ・ド・ラ・マドレーヌの個展「花粉と種子」を開催。2022年春に六本木のオオタファインアーツで開かれた個展「人魚の領土―旗と内臓」の世界観を発展させた内容となる。

ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(1961年大阪府生まれ)は、京都市立芸術大学在籍時から交流のあったダムタイプに1991年からメンバーとして参加し、94年から96年にかけて、15ヶ国20都市で上演されたパフォーマンス《S/N》に出演。その後も国内外のアーティストとの共同またはソロでパフォーマンス、映像、テキストなど、さまざまなメディアによる作品を発表してきた。制作活動に並行し、HIV/エイズとともに生きる人々やセックスワーカー、女性、セクシュアルマイノリティなどの健康と人権に関する市民運動にも長く携わる。また、90年代から現在までクラブナイトでドラァグクイーンとしても活動している。主な展覧会に嶋田美子との二人展「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」(オオタファインアーツ、1997)、「どないやねん!」(フランス国立高等美術学校、パリ、1998)、「セックスと消費主義」(ブライトン大学、2001)、個展「甘い生活」(オオタファインアーツ、2001)、個展「人魚の領土」(オオタファインアーツ、2004)、「表現の生態系 世界との関係をつくりかえる」(アーツ前橋、2019)、「JAPAN UNLIMITED」(frei_raum Q21、ミュージアムクォーター、ウィーン、2019)、「人魚の領土―旗と内臓」(オオタファインアーツ、2022)など。

 


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ《POLLEN AND SEEDS_001》2024年


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ《POLLEN AND SEEDS_003》2024年

 

前回の個展「人魚の領土―旗と内臓」でブブは、人魚が「両性具有」で、雌しべと雄しべによって受粉する植物と同様のプロセスで生殖する存在と考え、人魚の尾びれを植物に見立てた。本展では、この人魚の生殖器とも言える植物の尾びれと、そこから放出される花粉のような生殖細胞が合わさり生まれる「生命の種子」をイメージしたインスタレーション作品とペインティングを展示する。

会場では、複数の人魚の尾びれの作品が向かい合うように展示。その作品間には綿やカラフルな布、白いガーゼで作られた花粉と種子を表象する球状のオブジェが漂う。ガーゼの語源がパレスチナのガザ(Gaza)で作られていたからという一説を知ったブブ。人が生まれる時や傷ついた時、死に行く時に手当として用いられるガーゼという布が、現代では世界各地の人々の手に十分に渡らない過酷な状況を意味し、生きていく上で直面せざるを得ない残酷な現実を表す。土中や水中、空中などの環境でも花粉たちは受粉し種子となって命を紡ぐように、そうしたエネルギーを想起させる展示空間を目指す。

同時期には、2月6日から国立国際美術館で開催するコレクション展「コレクション2 身体———身体」でブブのインスタレーション作品《人魚の領土―旗と内臓》(2022)と、参考資料として映像作品《甘い生活》(2001)が展示されている。

 


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ《POLLEN AND SEEDS_004》 2024年


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ《Gender Queer Dance》 2023年

 

同時期開催
コレクション展 「コレクション2 身体———身体」
2024年2月6日(火)-2024年5月6日(月・祝)
国立国際美術館
https://www.nmao.go.jp/events/event/collection20240206/

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