藤本由紀夫『n/t – phonography/photography -』
4月9日(土)-5月28日(土)
シュウゴアーツ
www.shugoarts.com
Left: PHONOGRAPH – P, (2011). Right: PHOTOGRAPH – P, (2011)
見ること、聴くことへのシンプルかつ独特なアプローチを試みてきた藤本由紀夫の個展『n/t – phonography/photography -』がシュウゴアーツにて開催される。藤本は’phonograph’(蓄音機)と’photograph’(写真)が「n」と「t」の一文字違いであることから写真とは何かを考え始めたと述べる。本展では、鶏卵紙の印画紙を自ら制作し、その上にphonograph/photographのそれぞれの文字の形状に針で穴を開けたキャンバスを乗せ、日光写真の方法で制作された作品が発表される。文字の穴、ひとつひとつがピンホールカメラとして働き、太陽の運行の軌跡が記録された印画紙は、普段、写真と呼ばれるものから大きく隔たる音と光を記録している。テクノロジーの発展によって更新される視覚と聴覚の新しい関係性を思索する契機となるだろう。