ミース・ファン・デル・ローエ賞発表


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2013年4月29日、欧州連合(EU)は2013年のEU現代最優秀建築賞(ミース・ファン・デル・ローエ賞)を、ヘニング・ラーセン・アーキテクツがバターリード・アーキテクツとスタジオ・オラファー・エリアソンとの協働で手掛けたハルパ・レイキャビク・コンサートホール&カンファレンスセンターに授与することを発表した。また新進建築家特別賞にはマリア・ランガリータ−ヴィクトル・ナヴァッロのマドリッドのナーヴェ・デ・ムジカ・マタデロ(レッドブル・ミュージック・アカデミー)が選出された。最優秀賞には60,000ユーロ(約769万円)与えられる。
ヘニング・ラーセンは1925年にデンマーク生まれる。デンマーク王立芸術アカデミー、マサチューセッツ工科大学で学び、複数の建築事務所勤務を経て、59年に独立する。代表作に、コペンハーゲン・オペラハウス(2004)や、リヤドのサウジアラビア外務省(1982-84)などがある。なお、ラーセンは第24回高松宮殿下記念世界文化賞を昨年受賞している。今回受賞対象となったハルパ・レイキャビク・コンサートホール&カンファレンスセンターは、広さは28,000㎡、全面ガラス張りの幾何学的な形態で、2011年にレイキャビクの湾岸開発プロジェクトの一部として建築された。
ハルパ・レイキャビク・コンサートホール&カンファレンスセンターのほか、ロブレヒト・アンド・デームとマリー・ジョゼ・ファン・ヘーが手掛けたゲントのマーケット・ホール、ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)、トポテック1、スーパーフレックスのコペンハーゲンの公園「スーパーキーレン」、アイレス・マテウスの設計によるポルトガルのアルカセル・ド・サルの「高齢者のための家」、ユルゲン・マイヤー・Hが手掛けたセビリアのメトロポール・パラソルが最終選考に残っていた。
同賞は欧州議会が1987年に創設し、翌88年より欧州委員会とミース・ファン・デル・ローエ・バルセロナ財団が合同で運営、現代建築の課題に取り組んだ欧州の優れた作品に対し、最優秀賞と審査員奨励賞を隔年で授与している。
近年はデヴィッド・チッパーフィールドが大規模な改装を手がけたベルリンの新博物館(ノイエ・ムーゼウム)、スノヘッタが手掛けたオスロ新国立オペラハウス、マンシーリャ+トゥニョンによるカスティーリャ・レオン現代美術館などがある。

ミース・ファン・デル・ローエ賞:http://www.miesbcn.com/en/award.html

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