記者会見(1)「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」

東京・原美術館より

「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」記者会見・要訳
6月24日(金)15:30~16:30(於原美術館ザ・ホール)

先日行なわれた記者会見の模様を簡単にリポートします。


左より、原俊夫(原美術館館長)、ジェイソン トウ(シンガポール美術館シニアキュレーター)、ミン ウォン(作家)、タン フー クエン(ゲストキュレーター)[通訳:松下由美、司会:坪内雅美(原美術館本展担当学芸員)]


スピーチをするミン ウォン(いずれも撮影:米倉裕貴)

原美術館館長・原俊夫、シンガポール美術館シニアキュレーター・ジェイソン トウの挨拶に続き、ミン ウォンとタン フー クエンが本展についてお話しました。

ミン ウォン 
日本で個展を開くことができ、長年の夢が実現した思いです。日本は大きなインスピレーションを与えてくれる国です。日本の素晴らしい点の一つは、外の文化を取り入れて、より良いものを作り出すのに長けているところだと思います。それはまさに私自身が制作において取り組んでいることでもあります。例えば「Four Malay Stories」で私が作品を捧げたP. ラムリーも日本の映画に影響を受けており、黒澤明や小津安二郎などを引用しています。本展の準備にあたり、シンガポールの映画文化への日本の映画文化の影響の大きさを感じました。個人的なことですが、これは自分にとって始まりだと感じています。今後は日本映画史をより深くリサーチし、また日本に来て制作をしたいと考えています。この展覧会を日本の多くの方にご覧頂けることを願っています。

タン フー クエン
ヴェネチア ビエンナーレ後の2010年2月、原美術館を訪れて玄関に立った瞬間、直観的にいい!、一緒に仕事をしたい!と思いました。そこでミーティングを申し入れ展覧会開催を打診したのが、そもそものきっかけです。1年以上の準備期間中、本展はシアトル、タスマニアへと巡回しました。今回はヴェネチアの展示の精神を活かしつつ、原美術館のコンテクストにあわせてうまく再構成されていると思います。ギャラリーIをご覧頂きたいのですが、シンガポールと日本は映画において互いに近しい関係を1900年代前半より築いてきました。シンガポールで2軒目の映画館は日本人によって建てられたのです。日本人はその頃、東南アジアに「移動式映画館」を導入、またバンコク初の映画館は「ジャパン・シネマ」と呼ばれていたのです。戦争中、日本のビジネスマンは映画上映を通して、孫文を支援していました。また小津安二郎は、シンガポールが日本の植民地だった時代に、シンガポールにおいて撮影隊に加わっていました。そこでアメリカ映画をたくさん見られた事が、小津の制作に影響を与えていると言われています。マレー映画のアイコン、P.ラムリーも、ペナンの日本人学校の隣で育ったために日本映画を見る機会に恵まれ、小津安二郎の日常を描く手法から影響を受けたと言います。「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」をきっかけに、日本とシンガポールの関係がますます深まる事を願っています。

記者会見(2)へ続きます。

————————————————————————————
「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」
2011年6月25日[土]―8月28日[日]

「東日本大震災被災地復興支援『奈良美智×原美術館『My Drawing Room』チャリティ大判カードセット」販売中。

原美術館とハラ ミュージアム アークはTwitterで情報発信中。
http://twitter.com/haramuseum (@haramuseum)
http://twitter.com/HaraMuseumARC (@HaraMuseumARC)

原美術館とハラ ミュージアム アークは割引券一覧iPhoneアプリ「ミューぽん」に参加。
http://www.tokyoartbeat.com/apps/mupon

ハラ ミュージアム アーク
「この世界には色がある―原美術館コレクション展」(現代美術ギャラリー)
7月2日[土]-9月11日[日]
「競・闘・争」(觀海庵)
前期 7月2日[土]-8月3日[水] 後期 8月5日[金]-9月11日[日]

原美術館ウェブサイト
http://www.haramuseum.or.jp
http://mobile.haramuseum.or.jp

原美術館へのアクセス情報はこちら

7月22日[金]まで、ハラ ミュージアム アークの開館時間に一部変更が生じております。詳しくはこちらをご覧ください。

Copyrighted Image