KAAT EXHIBITION 2024 「南条嘉毅展|地中の渦」
2024年9月23日(月・祝)- 10月20日(日)
KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
https://www.kaat.jp/
開場時間:11:00–18:00(入場は閉場30分前まで)
休場日:火(9/24は開場)
企画担当:中野仁詞(公益財団法人神奈川芸術文化財団学芸員)
展覧会URL:https://kaat-seasons.com/exhibition2024/
KAAT神奈川芸術劇場では、劇場空間と現代美術の融合による新しい表現を生み出す展覧会シリーズ「KAAT EXHIBITION」の9回目の企画として、土地の歴史と場所性をテーマとした作品を展開する南条嘉毅による「南条嘉毅展|地中の渦」を開催する。
南条嘉毅(1977年香川県生まれ)は、東京と和歌山を拠点に、風景とその場所性をテーマとしたインスタレーションや絵画作品の制作活動を各地で発表している。制作対象の場所に赴き、取材や調査を繰り返し、現在だけではなく歴史的・地理的側面からもその土地を考察し、複層的な表現方法をとる。また制作場所の土壌などを用いることで、場所が持つイメージや時間を付与する試みも行なっており、その根底には絵画の場所性に対する作家なりの試行が垣間見える。2001年東京造形大学造形学部美術Ⅰ類卒業、2002年同大学研究科(絵画)修了。近年の主な展覧会に、「奥能登国際芸術祭2023」( スズ・シアター・ミュージアム、石川)「湖の秘密−川は湖になった」(市原湖畔美術館、千葉、2023)、「senna」(ART FRONT GALLERY、東京、2023)、「落山風藝術季2023 Amazing Pingting 2023」(看海美術館、台湾)、「瀬戸内国際芸術祭2022」(沙弥島、香川)、「透ける表層、漂う大地」(坂出市民美術館、香川、2019)、「VOCA展2017」(上野の森美術館、東京)、「シンクロ −風景の同時性− 南条嘉毅展」(高松塩江美術館、香川、2013)など。2021年の「奥能登国際芸術祭2020+」では、アーティストとして参加しただけでなく「スズ・シアター・ミュージアム 光の方舟」のキュレーションと演出も担った。
「スズ・シアター・ミュージアム 光の方舟」奥能登国際芸術祭2020+ 撮影:木奥惠三
「スズ・シアター・ミュージアム 光の方舟」奥能登国際芸術祭2020+ 撮影:木奥惠三
本展では、南条による新作インスタレーションを展示。奥能登国際芸術祭2020+、瀬戸内国際芸術祭2022でも南条作品に関わった作曲家の阿部海太郎が音楽を務める。KAAT神奈川芸術劇場が建つ地域は、古くは先史時代から人々が住み始め、文明開化の明治時代には開港地として外国人居留地が設置され、現代の横浜の発展へと繋がる場所とされる。現在でも、地層の中からその痕跡が発掘されている。横浜の地中へと潜り、地層の中に埋もれた現代に至る歴史や人々の暮らしの痕跡から、そこに生きた「某(なにがし)」を感じることで、現在私たちが見ている景色や暮らしを再認識する機会となる。
関連イベントとして、南条が展覧会のために創作した物語を『指差すことができない』で中原中也賞を受賞した詩人の大崎清夏が文章に綴り、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督で劇作家・演出家・俳優の長塚圭史が朗読をするイベントを実施。言語表現を邂逅させる実験的な取り組みとなる。また、展覧会の重要なテーマとなっている山下居留地遺跡についてのトークも行う。
「Peering into the Seabed」香川県立ミュージアム 2022 撮影:宮脇慎太郎
「幻海をのぞく」瀬戸内国際芸術祭2022 撮影:木奥惠三
関連イベント
リーディング
地中の渦|ある案内係についての覚え書き
2024年9月28日(土)13:30–
会場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
出演:長塚圭史(KAAT神奈川芸術劇場芸術監督/劇作家・演出家・俳優)
脚本:物語・南条嘉毅、テキスト・大崎清夏
料金:展覧会チケットで観覧無料、予約不要
アーティストトーク
地中の渦|山下居留地遺跡にもぐる
2024年9月29日(日)14:00–16:00
会場:KAAT神奈川芸術劇場 アトリウム
出演:南条嘉毅(本展出品作家)、天野賢一(かながわ考古学財団特別研究員)
料金:無料、先着30名 (当日空きがあれば参加可)
予約申込フォーム:https://krs.bz/kanagawaaf/m?f=1935
キュレータートーク
2024年10月5日(土)、19日(土)14:00–14:30
会場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
出演:中野仁詞(本展企画担当)
料金:展覧会チケットで観覧無料、予約不要