金田実生「親しさの温度」@ GALLERY CAPTION


金田実生《色を動かす》2024年

 

金田実生「親しさの温度」
2024年9月7日(土)-10月6日(日)
GALLERY CAPTION(岐阜市明徳町10 杉山ビル1F)
https://www.gallerycaption.info/
開廊時間:12:00–18:00
休廊日:月、火、祝
展覧会URL:https://www.gallerycaption.info/kaneda2024

 

GALLERY CAPTIONでは、身のまわりの何気ない出来事や日々の生活のなかでの自然や生き物とのささやかな交感を、紙の上を潔く伸びるストロークやキャンバスに丹念に塗り重ねられた湿り気のあるおだやかな色合いで、抽象とも具象ともとれる有機的なイメージとして豊かに描き出す金田実生の個展「親しさの温度」を開催する。

金田実生(1963年東京都生まれ)は、多摩美術大学でグラフィックデザインを専攻しながら次第に版画研究室に通い詰めるようになり、作家としてのキャリアを版画からスタートさせた。1988年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了。その後、より直接的な線の表現を求めて木炭や水溶性クレヨンによるドローイング、礬水(どうさ)引きをした洋紙を支持体とした繊細な油彩による表現、キャンバスへと移行しながら、素材や技法の特性と自身の表現の可能性を模索し、一貫して平面作品を制作している。主な個展に「夜の種類 眠りにつくあいだ」(森岡書店、東京、2024)、「その頃、わたしは」(RED AND BLUE GALLERY、東京、2024)、「つくりかけラボ11 金田実生 | 線の王国」(千葉市美術館、2023)、「夜の種類」(LOOP HOLE、東京、2023)、公開制作73「金田実生 青空と月」(府中市美術館、東京、2023)、「水の音が走る夕刻」(ギャラリーハシモト、東京、2023)など。主なグループ展に「シンフォニー・オブ・アート-イメージと素材の饗宴」(群馬県立館林美術館、2024)、「境界をこえる」(徳島県立近代美術館、2023)、「みつめる-見ることの不思議と向き合う作家たち-」(群馬県立館林美術館、2019)、「クインテット-五つ星の作家たち」(損保ジャパン東郷青児美術館、東京、2014)、「アーティスト・ファイル2009-現代の作家たち」(国立新美術館、東京)など。

 


金田実生《見えてくる真相》2024年


金田実生《分かれ道》2024年

 

金田は毎年5月の一カ月間、庭のバラとその日の空の様子を毎日描く日記的な作業を大切にし、庭先のささやかなうつりかわりを丁寧に受けとめることを通じて、目に見えない気配や空気感、湿度を感じ取り、自然に謙虚に向き合いながら絵を描いている。本展のタイトル「親しさの温度」には、庭先や散歩の途中で見つけた風景、身のまわりの近しいものたちを意識して見ながら描く金田の「見る」という行為が、目で見るだけにとどまらないことが示唆されている。本展では、油彩を中心とした平面作品10点余りを展示し、見ることと肌で感じる感覚とを分けて考えない姿勢や、物事に目で触れているかのような感覚を作品を通じて見る者に伝える。

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