白井美穂 森の空き地 @ 府中市美術館


白井美穂、映像作品《Forever Afternoon》より 2008年 府中市美術館蔵

 

白井美穂 森の空き地
2023年12月16日(土)-2024年2月25日(日)
府中市美術館
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
開館時間:10:00–17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(1/8、2/12は開館)、年末年始(12/29-1/3)、1/9、2/13
企画担当:神山亮子(府中市美術館学芸員)
特設サイト:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakuten/Mio_shirai.html

 

府中市美術館では、1980年代後半から、異なる表現方法を自在に横断しながら、洗練された造形と意味を複雑に重ねて提示する深い思考に貫かれた制作を続ける白井美穂の個展「白井美穂 森の空き地」を開催する。

白井美穂(1962年京都府生まれ)は、1980年代末から90年代にかけて、社会的慣習や風俗を巧みに引用、流用し、家具や結界など既製品を用いた大規模なインスタレーションで注目を集める。1993年にアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の助成を得てニューヨークに渡り、2006年まで同地を拠点に活動。2000年代より、長く女性に帰されてきた針仕事を想起させるような布製のタペストリーに取り組むとともに、ピンクや黄、紫といった色彩を取り入れた絵画が中心的役割を担うようになり、「女性的」「感覚的」とされてきた技術や技法を積極的に制作に取り入れていく。主な展覧会に、第7回インド・トリエンナーレ(ラリット・カラ・アカデミー、ニューデリー、1991)、「Let the Artists Live!」(Exit Art and the First World、ニューヨーク、1994)、「アトピック・サイト On Camp / Off Base」(東京ビッグサイト、東京、1996)、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟、2000)、個展「Joie de Vivre」(ヒルサイドギャラリー、東京、2003)、「アーティスト・ファイル 2008―現代の作家たち」(国立新美術館、東京、2008)、個展「Forever Afternoon」(Northern Gallery for Contemporary Art、サンダーランド、イギリス、2008)、瀬戸内国際芸術祭(宇野港、岡山、2013)、あいちトリエンナーレ2013、「絵画の現在」(府中市美術館、東京、2018)など。1994年には、ファーレ立川に《Round Trip》と《Cut》がパブリックアートとして設置されている。

 


白井美穂《前へ前へとバックする》1989年 個人蔵


白井美穂《Waterfall(Why Are You Afraid of Black and White?) 》1993年 作家蔵

 

本展は、約30年ぶりの展示となる1990年代前半に東京で発表された初期作品をはじめ、2000年以降に華麗に展開してきた絵画を中心に、映像やオブジェなど、白井の多義的で多様性に満ちた作品群で構成。もの、空間、イメージが絡まり生まれる迷宮の、その先に開かれる無時間無重力の「空き地」を創出する。会期中には、アーティストトークのほか、同時期に東京都現代美術館で個展を開催する豊嶋康子との対談、画家で美術批評家の松浦寿夫や美術批評家の沢山遼のゲストトークを含む映像作品上映会などを開催する。

 


白井美穂《Across the River》2005年 作家蔵


白井美穂、個展「Time Is Vertical」(2018年 nap gallery、東京)での展示風景 右:《反転波》2018年 府中市美術館蔵

 

関連イベント
アーティストトーク
2023年12月16日(土)15:00-
白井美穂
会場:府中市美術館 2階企画展示室
無料(要企画展観覧料)、予約不要

白井美穂映像作品上映会とトーク
2024年1月13日(土)14:00-
ゲスト:松浦寿夫(画家・美術批評)
2024年2月12日(月・祝)14:00-
ゲスト:沢山遼(美術批評)
会場:府中市美術館 1階講座室
定員:各回60名(先着順)
無料、予約不要

トークイベント「豊嶋康子と見る、白井美穂展」
2024年2月18日(日)14:00-
豊嶋康子、白井美穂
会場:府中市美術館 2階企画展示室
無料(要企画展観覧料)、予約不要

 


同時開催
常設展 令和5年度第4期
2023年12月16日(土)-2024年2月25日(日)
府中市美術館 常設展示室
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/jyosetu/

第88回公開制作 髙田安規子・政子「くり返すカタチ」
2023年12月16日(土)-2024年2月25日(日)
府中市美術館 公開制作室
公開制作日:12/16、12/23、12/27、1/7、1/14、1/17、1/24、1/28、2/7、2/10
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/koukaiseisaku/kokaikaisai/ops88_takada.html

 


髙田安規子・政子《Open/Closed(部分)》2023年 ドア、12分の1スケールのドア、鍵と鍵穴プレート65個
(「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」2023年 ポーラ美術館の展示風景)撮影:加藤健

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