絵画の現在 @ 府中市美術館


白井美穂「Orbit」2017年 アクリル、カンヴァス 194×162cm

絵画の現在
2018年1月13日(土)-2月25日(日)
府中市美術館
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
開館時間:10:00-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、2/12は開館)、2/13

企画:神山亮子(府中市美術館学芸員)

府中市美術館では、今井俊介、木村彩子+近藤恵介、近藤亜樹、白井美穂、諏訪未知、津上みゆき、福士朋子の7組の画家のモチーフも形式も異なる作品を通して、絵画の「いま」を探る展覧会を開催する。

府中市美術館は美術大学やアトリエが多く集まる多摩地域に位置し、2000年秋の開館以来、展覧会や公開制作プログラムを通して、同時代の絵画を積極的に紹介してきた。『絵画の現在』は、その成果の継承、発展を目的とするもので、絵画という表現に極めて自覚的に取り組んでいるという共通点の下、筆遣い、物質感、抽象/具象、サイズなどを比べてみても、実にさまざまな絵画が集う展覧会となる。

今井俊介はストライプや水玉模様の布がはためくイメージを鮮やかな色彩で描いた絵画で注目を集める。HAGIWARA PROJECTS(東京)を中心に個展を重ね、2014年には東京オペラシティアートギャラリーで開催された『絵画の在りか』にも出品。木村彩子は繁茂する植物を繊細なタッチで画面いっぱいに描いた絵画で知られる。switch point(東京)とGALLERY CAPTION(岐阜)を中心に発表しており、来年には東京オペラシティアートギャラリーのproject Nでの展示が控えている。本展では、自身の作品に加えて、日本画の技法を軸に繊細な絵を描く近藤恵介との共同制作を行なう。


今井俊介「untitled」2017年 アクリル、カンヴァス 115×92cm ©Shunsuke Imai, courtesy of HAGIWARA PROJECTS


木村彩子「植物 5月11日」2017年 油彩、綿カンヴァス 37.0×45.0cm

近藤亜樹はダイナミックな筆遣いと色遣いで現代の神話画を、シュウゴアーツ(東京)を中心に発表。ミュージシャンなど異なるジャンルの表現者とのコラボレーションも多く、本展では2015年に第7回恵比寿映像祭で発表した初監督映画『HIKARI』の上映も行なう。白井美穂は90年代前半からインスタレーションで注目を集め、近年は暗示に満ちた世界を映像や絵画を通じて表現している。大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(2000、2006)や瀬戸内国際芸術祭2013、あいちトリエンナーレ2013といった国際展や『アーティスト・ファイル2008』(国立新美術館)など国内外の数々の展覧会で作品を発表している。諏訪未知は絵を成り立たせる要素を理知的に解読し、再構成した空間を創出する。gallery21yo-jやA-thingsなど、東京を中心に作品を発表している。


近藤亜樹「Song for Artists」2016年 油彩、パネル 227.3×409.1cm ©Aki Kondo, courtesy of ShugoArts photo: Shigeo Muto


諏訪未知 個展『interior』会場風景(gallery 21yo-j) 2016年 ©︎Michi Suwa, courtesy of gallery 21yo-j

津上みゆきは、瑞々しい色彩で描き出した大気と光をはらむ雄大な風景画で知られる。2003年のVOCA賞をはじめ、京都市芸術新人賞(2005)や五島記念文化賞・美術部門新人賞(2013-14)を受賞。2015年にはドイツ・ブレンツラウで個展『日本の風景、ウッカーマルクの風景』を開催し、帰国後もポーラミュージアムアネックスでの個展『時の景 つなぐとき』など精力的に作品を発表している。福士朋子は漫画のコマ割りや吹き出しの手法を巧みに用いた絵画を制作している。2015年には府中市美術館で公開制作を実施。同年、『元祖FAXマンガ・お絵描き少女★ラッキーちゃん』(blue art)を出版している。

会期中には、出品作家によるアーティスト・トークのほか、ゲストを交えた絵画をめぐるトークなどを予定。また、大小島真木の公開制作も同館公開制作室で実施している。


津上みゆき「View, Tokyo Merry-go-round, Winter, 2017」2017年 個人蔵 顔料、アクリル、リネン 227.3×181.8cm courtesy of HASHIMOTO ART OFFICE photo: 長塚秀人


福士朋子 公開制作『見えたものと見えなかったもの』展示風景(府中市美術館)2015年 photo: 加藤健

関連イベント
アーティスト・トーク
近藤亜樹|2018年1月13日(土)14:00-
今井俊介、木村彩子|2018年1月21日(日)14:00-
白井美穂、諏訪未知|2018年2月4日(日)14:00-
津上みゆき、福士朋子|2018年2月11日(日)14:00-
会場:府中市美術館 企画展示室
無料、要企画展観覧料、予約不要

近藤亜樹監督作品『HIKARI』上映会
2018年1月13日(土)15:00-
会場:府中市美術館 講座室
無料、予約不要
※当日は近藤亜樹のアーティスト・トークも14時より開催。

絵画をめぐるトーク
出演:出品作家、ゲスト
2018年2月25日(日)14:00-
会場:府中市美術館 講座室
無料、予約不要

ワークショップ「ほぼ津上さん@あなたの府中」
講師:津上みゆき(出品作家、画家)
2018年2月17日(土)13:00-16:00
定員:15名
対象:小学生以上
参加費等:1,600円(材料費 ※スケッチブックと鉛筆付き)
※要申込:往復はがき、メール(bijyutu02@city.fuchu.tokyo.jp)に、住所、氏名、年齢、電話番号、返信用宛名を記入して、府中市美術館「ほぼ津上さん」係へ。申込締切: 1月31日(当日消印有効)


府中市美術館公開制作72 大小島真木『万物の眠り、大地の血管』

公開制作72 大小島真木「万物の眠り、大地の血管」
2017年11月3日(金、祝)-2018年2月25日(日)
府中市美術館 公開制作室
※作品完成後は公開制作ではなく作品展示

関連イベント
アーティスト・トーク「絵の進化は、螺旋の如く」
2018年2月18日(日)14:00-
会場:府中市美術館 講座室
無料、予約不要

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