『ペイン天狗 長谷川繁 と O JUN』@ カスヤの森現代美術館


展示風景 長谷川繁「種まく人 キュウリとナス」2021年 / O JUN「道路と女とパーキング(切通之寫生)」2021年

 

『ペイン天狗 長谷川繁 と O JUN』
2022年1月8日(土)- 4月3日(日)
カスヤの森現代美術館
https://www.museum-haus-kasuya.com/
開館時間:10:00-17:30 入館は閉館30分前まで
休館日:月、火、水

 

カスヤの森現代美術館では、1990年代に新しい具象(ニュー・フィギュラティヴ・ペインティング)の作家として注目され、ともに意識しながら制作をつづけてきたO JUNと長谷川繁の二人展『ペイン天狗 長谷川繁とO JUN』を開催する。

O JUN(1956年東京都生まれ)は、制作拠点の東京郊外をはじめ、現代日本の情景を特別な視点で捉えた絵画で知られる。1980年代末には金属を溶かした手製の描画材「合金ペン」でドローイングを行なうパフォーマンスを発表、1990年代後半以降は、鉛筆、クレヨン、水彩、油彩など、あらゆる画材を駆使して、絵画を探究している。近年の主な展示に、個展『O JUN—描く児』(府中市美術館、2013-14)、『美少女の美術史展』(青森県立美術館ほか、2014)、『画家の詩、詩人の絵』(平塚市美術館ほか、2015-16)、個展『O JUN 展 まんまんちゃん、あん』(国際芸術センター青森、2016)、二人展『O JUN×棚田康司展「鬩(せめぐ)」』(伊丹市立美術館、2017)、『100 年の編み手たち-流動する日本の近現代美術』(東京都現代美術館、2019)などがある。

長谷川繁(1963年県生まれ)は、日常的なモチーフを非日常的な色彩、大きさ、組み合わせで描いた絵画などで知られる。長谷川は愛知県立芸術大学大学院を修了したのち、デュッセルドルフ・クンストアカデミー、デ・アトリエーズ(アムステルダム)で学ぶ。帰国後は制作活動とともに東京・自由が丘にT&S Galleryを設立し、若手、中堅アーティストの個展やグループ展を企画した。ガレリア フィナルテ(愛知)やSatoko Oe contemporary(東京)などで継続的に個展を開催しているほか、近年の主な展示に、『アートオブライフ 生きることの美学』(群馬県立近代美術館、2015)、『アイチアートクロニクル 1919-2019』(愛知県美術館)、『世界を開くのは誰だ』(豊田市美術館、2019)、『ひらいてみよう美術の扉』(府中市美術館、2020)、『いのちの移ろい展』(碧南市藤井達吉現代美術館、2021)などがある。

 


展示風景 長谷川繁 タイトルなし 2021年 / O JUN「+」2021年

 

本展では、活動初期から30年来、お互いの仕事を意識し見つづけてきたふたりの画家が初めて作品を並べてみせる貴重な機会となる。

90年代後半の日本における新しい具象絵画はマンガ、アニメの表現を取り入れた一群の作家たちや物語性の強い絵を描く作家たちが多く見受けられましたが、OJUNと長谷川の作品は具象絵画ということだけで一括りにされるような単純なものではなく、90年代以降のどの時期の二人の作品を見ても具体的なものを描きながらも、慎重に物語に回収されることを避けながら進められてきていることがわかります。グラフィカルでもなく物語性でもない別の地点でどのような具象的な絵画が描けるのか、または具象ということ自体もさほど重要ではなく絵画の成り立ち自体を追い続けているという点で、二人の画家はお互いの作品を見続け制作を前に進めてきたと言っても良いかもしれません。
(長谷川繁、本展プレスリリースより抜粋)

 

特別イベント
鼎談
登壇者:長谷川繁、OJUN、千葉真智子(豊田市美術館学芸員)
2022年2月20日(日)14:00-
※要予約(予約は公式ウェブサイト内の予約フォームから申込)

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