関真奈美、前谷開、松元悠 『船は岸に辿り着けるのか』@ タリオンギャラリー


関真奈美《六枚の視覚》2019年、撮影:中川周

 

関真奈美、前谷開、松元悠 『船は岸に辿り着けるのか』
2021年9月4日(土)– 10月3日(日)
タリオンギャラリー
https://taliongallery.com/
開場時間:11:00–19:00
休館日:月、火、祝

 

タリオンギャラリーでは、関真奈美、前谷開、松元悠の3名のアーティストがそれぞれの制作手法と深く結びついたパターンやロジックを足がかりに、パラドクス(逆理)と習慣的に呼ばれる事象と造詣表現との交点への接近、あるいは離脱を試みる展覧会『船は岸に辿り着けるのか』を開催する。本展タイトルはそれ自体が無体な問いかけであり、複数のパラドクスが言い換えられて折り重なり合う交点を意味している。

関真奈美(1990年東京都生まれ)は、プログラムやシステムがもつ逐次的なプロセスを人間の言語や身体の振るまいに応用したパフォーマンス作品などを制作、発表している。2013年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業した関は、在学中に『群馬青年ビエンナーレ2012』に入選し、『乗り物』(blanClass、神奈川、2017)、『記録係 vol.新しい洞窟』(コ本や、東京、2017)など、首都圏を中心に作品を発表。2019年には武蔵野美術大学 gFALで個展『敷地|Site』を開催している。

 


関真奈美《PJB》2017年 撮影: 松尾宇人

 

前谷開(1988年愛媛県生まれ)は、社会生活に潜在する空伱や穴ぐらのような場(カプセルホテルの一室、住居の床下、あるいは演劇の舞台上など)に身を置き、そのような環境下で自身の身体を確認するために、カメラを自らに向けて記録した写真作品やそれらを用いたインスタレーションを発表している。2013年に京都造形芸術大学大学院芸術研究科表現専攻を修了。近年は『六本木クロッシング2019展:つないでみる』(森美術館)や『群馬青年ビエンナーレ2019』に参加。2019年には個展『Kapsel』(FINCH ARTS、京都)、2021年には個展『夜は昼、昼は夜を』(Art Center Ongoing、東京)を開催している。また、2017年には写真を扱うアーティストグループ「Homesick Studio」を結成、2018年には記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY」に加入、2019年より山中suplexに参加するなど、個人の枠を越えた活動も続ける。

 


前谷開《Scape》2020年


前谷開《Kapsel》2019年、展示風景『六本木クロッシング2019展:つないでみる』、森美術館、撮影:木奥惠三

 

松元悠(1993年京都府生まれ)は、マスメディアが報じる事件の周縁に赴き、現場を歩くことで知りえた光景や土地柄の詳らかな継ぎ接ぎと、作者の自画像に置き換えられることで当事者たちが不在となったイメージを、主にリトグラフ技法を用いて版画を制作している。松元は2018年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画を修了。近年の主な個展に『カオラマ』(京都芸術センター南・北、2018)、『活蟹に蓋』(三菱一号館美術館、東京、2019)、『架空の竜にのって海をこえて幻の島へ』(kara-Sギャラリー、京都、2021)などがあり、『HER/HISTORY』(岸和田市立自泉会館、2020)、『群馬青年ビエンナーレ2021』(群馬県立現代美術館、2021)などのグループ展に参加している。

 


松元悠《碑をキザむ(黒鳥山公園)》2020年


松元悠《悪い神様の耳を食べる(佐野市)》2020年

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