鷹野隆大 毎日写真 1999―2021 @ 国立国際美術館


鷹野隆大《2018.11.14.#05》2018年 ©Takano Ryudai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 

鷹野隆大 毎日写真 1999―2021
2021年6月29日(火)- 9月23日(木・祝)
国立国際美術館
https://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00(金曜、土曜は21:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、8/9、9/20は開館)、8/10
展覧会担当:中西博之(国立国際美術館 上席研究員)

 

国立国際美術館では、写真家の鷹野隆大のこれまでのキャリアを振り返る美術館初の大規模個展『鷹野隆大 毎日写真 1999―2021』を開催する。

鷹野隆大(1963年福井県生まれ)は、第31回木村伊兵衛写真賞を受賞した写真集『IN MY ROOM』(蒼穹舎)をはじめ、男性の身体の表象や肉体美の規範、性にまつわる二項対立などを問うセクシュアリティをテーマにした作品で注目を集める。1990年代半ばより東京を中心に個展を重ねながら、『手探りのキッス 日本の現代写真』(東京都現代美術館ほか、2001-2002)、『Out of the Ordinary/Extraordinary: Japanese Contemporary Photography』(2004-、国際交流基金企画により国際巡回)、『液晶絵画展 スティル|モーション』(三重県立美術館ほか、2008)、『JAPAN UNLIMITED』(frei_raum Q21 exhibition space/MuseumsQuartier Wien、2019)など、国内外の企画展で作品を発表している。2010年には、同年代の写真家の鈴木理策、松江泰治、批評家の倉石信乃、清水穣と写真分離派を発足。2014年に愛知県美術館で開かれた『これからの写真』では、出品作品「おれと」シリーズの一部に性器が写っていることを理由に愛知県警が猥褻物と判断し、作品撤去を美術館に指導、美術館と鷹野との協議の末、警察からの介入があった事実がわかるようなかたちで展示内容を変更し、展示を継続した(本件に関する報告は愛知県美術館研究紀要21号に収録)。

 


鷹野隆大《赤い革のコートを着ている》2002年 ©Takano Ryudai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 

セクシュアリティをテーマにした一連の作品を発表する一方で、鷹野は1998年から毎日欠かさず写真を撮ることを自らに課し、それを「毎日写真」と名付けて継続してきた。本展では、この「毎日写真」プロジェクトを主軸に、『IN MY ROOM』にも収録された初期代表作や、「毎日写真」から派生した「カスババ」シリーズ、自宅の屋上から定点観測的に撮影している「東京タワー」、2011年以降本格的に取り組んでいる「影」シリーズなど、主要作品約130点を時系列で紹介する。影、所有、欲望をめぐる試みとして、展示室の一角には蓄光シートと一定の間隔で光るストロボを設置。ストロボの光でできた観客の影は、蓄光シートに数分間残り、観客は自身のスマートフォンなどで撮影することができる。

 

関連イベント
※鷹野隆大を招いてのイベントを開催予定。決まり次第、公式ウェブサイトで発表。

 


鷹野隆大《2011.03.11_T》2011年 ©Takano Ryudai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates


鷹野隆大《2018.03.03.D.#02》2018年 ©Takano Ryudai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

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