第20回中之島映像劇場「松村浩行レトロスペクティブ」@ 国立国際美術館


松村浩行《TOCHKA》2008年

 

第20回中之島映像劇場「松村浩行レトロスペクティブ」
2021年3月20日(土・祝)、3月21日(日)
国立国際美術館 地下1階講堂
https://www.nmao.go.jp/
※上映スケジュールは最下部に記載

 

「美術と映像」の歴史的な変遷を探り、映像における現代の状況を考察する中之島映像劇場。20度目の開催となる今回は3月20日、21日の二日間にわたって、映画作家・松村浩行の作品の回顧上映を実施する。

松村浩行(1974年北海道生まれ)は、早稲田大学卒業後に映画美学校フィクション・コースで映画製作をはじめる。謎の企業「リズム社」でひたすらドラムを叩いているアオシギという女性が、ダイゴという男の入社を契機に、多様な人物との出会いや別れを経験していく寓話的な物語を描いた初監督作品《よろこび》(1999)が、世界各地の映画祭のコンペティション部門に招待され、オーバーハウゼン国際短編映画祭の国際批評家連盟賞を受賞する。その後、日本の能の謡曲《谷行》を翻案したブレヒトの教育劇から発想を得た《YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN》(2002)で、2003年京都国際学生映画祭準グランプリを受賞。そして、2008年には北海道の根室にある戦争遺跡を舞台にした《TOCHKA》を製作。太平洋戦争でアメリカ軍の上陸に備えて設営され、廃墟となったそのトーチカで繰り広げられる1組の男女の会話。同作は、翌年の第22回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で上映し、渋谷ユーロスペースで公開された。以来、現在に至るまで松村は映画を発表していない。

本上映会では、上述した《よろこび》、《YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN》、《TOCHKA》のほか、2005年の夏にあがた森魚の北海道ツアーに同行し、リハーサルやライブ、あがたがかかわった映画祭などを撮影し、あがた自身のテキストや唄、北園克衛の詩を重ねたドキュメンタリー《つかのまの秘密さ海の城で〜水無月蜜柑試篇》を上映する。なお、3月20日のBプログラム上映後には、村松自身と映画研究者の堀潤之の対談が予定されている。

 


松村浩行《よろこび》1999年


松村浩行《YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN》2002年

 

上映スケジュール
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大予防のため、事前予約制(先着40名)
※参加無料・全席自由・各プログラム入れ替え制
※参加申込はこちら

2021年3月20日(土・祝)13:00-
Aプログラム
松村浩行《TOCHIKA》(DV/93分/2008年)DCP版(英字幕付き)

2021年3月20日(土・祝)15:00-
Bプログラム
松村浩行《よろこび》(16mm/32分/1999年)
松村浩行《つかのまの秘密さ海の城で〜水無月蜜柑試篇》(DV/23分/2005年)
※上映後、松村浩行と堀潤之(映画研究者)の対談あり

2021年3月21日(日)13:00-
Cプログラム
松村浩行《YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN》(DV/70分/2002年)

2021年3月21日(日)15:00-
Dプログラム
松村浩行《TOCHIKA》(DV/93分/2008年)

 


松村浩行《TOCHKA》2008年

Copyrighted Image