ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス @ 金沢21世紀美術館


(左)マーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》2011-2015年, (右)ミヒャエル・ボレマンス《オートマト(I)》2008年 Photo: Peter Cox, Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Gallery Koyanagi, Tokyo, Tanya Bonakdar Gallery, New York/Los Angeles & David Zwirner

 

ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス
2020年9月19日(土)- 2021年2月28日(日)
金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/
開館時間:10:00-18:00(金、土は20:00まで)※1/2、1/3は17:00まで
休館日:月(ただし、9/21、11/23、2021/1/11は開場)、9/23、11/24、12/29-1/1、1/12
展覧会担当:黒澤浩美(金沢21世紀美術館チーフ・キュレーター)
中田耕市(金沢21世紀美術館学芸員)

 

金沢21世紀美術館では、ミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダースのふたりの作品を通じて、沈黙や静寂が漂う内省的な空間や時間を体験する展覧会『ダブル・サイレンス』を開催する。

ミヒャエル・ボレマンス(1963年ベルギー、ヘラールツベルヘン生まれ)は、日常に潜む不穏さや危うさを、曖昧かつ矛盾に満ちた画題で表現した、静謐な気配の漂う、観る者を深い思索へと誘い込む絵画で知られる。絵を描く以前は、製図、銅版画を手掛け、教えてもいた。1990年代半ばにベラスケス、ゴヤ、マネといった伝統的な西洋絵画の技法とテーマを引き継いだ作品が国際的に高い評価を集め、近年は絵画から派生した映像作品の制作にも取り組んでいる。2000年代半ばより、欧米諸国の美術館やアートスペースで個展を開催し、マニフェスタ5(2004)、第4回ベルリン・ビエンナーレ(2006)などといった国際展にも参加。2011年には包括的な個展『Eating the Beard』をシュトゥットガルトのヴェルテンベルグ芸術協会を皮切りに、ブダペスト現代美術館、クンストハレ・ヘルシンキで開催、ヨコハマトリエンナーレ2011にも参加。2014年には日本国内の美術館における初個展『アドバンテージ』を原美術館で開催し、それまでの20年間の活動を振り返る回顧展『As sweet as it gets』をブリュッセルのパレ・デ・ボザールで開催(同展はテルアビブ美術館、ダラス美術館に巡回)。2020年はプラハのギャラリー・ルドルフィヌム現代美術センターで個展『The Duck』を開催している。

 


ミヒャエル・ボレマンス《赤い手、緑の手》2010年, 個人蔵, Photo: Peter Cox, Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp


マーク・マンダース《狐 /鼠 / ベルト(建物としてのセルフ・ポートレイトからの断片)》1992‒1993年, Photo: Dirk Pauwels, Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp

 

マーク・マンダース(1968年オランダ、フォルケル生まれ)は、1986年に「建物としてのセルフ・ポートレイト」というコンセプトを得て以来、そのすべての作品を自分自身の思考、記憶、感情、内省のポートレートの一部として一貫して制作している。ドローイングや彫刻はそれ自体で完成しているとも言える一方で、部分的に互換性を持ち、どのような組み合わせで「想像上の部屋」に収められるかによって有機的に変化する。そのインスタレーションは、ある瞬間に凍結したような不朽性や普遍性を含み、見るものに静寂と不在を感じさせる。これまでに、サンパウロ・ビエンナーレ(1998)やドクメンタ11(2002)をはじめ数多くの国際展や企画展に参加。2007年から2008年にかけて、自身初の回顧展『The Absence of Mark Manders』がハノーバーやゲント、チューリッヒを巡回。また、2010年から2012年にかけて、回顧展『Parallel Occurrences/Documented Assignments』がハマー美術館を皮切りに、アスペン美術館、ウォーカー・アートセンター、ダラス美術館を巡回。2013年には第55回ヴェネツィア・ビエンナーレにオランダ代表作家として参加。近年は、2016年にあいちトリエンナーレ2016に参加。ローキンスクエア(2017年、アムステルダム)、パブリック・アート・ファンド・プログラム(2019年、セントラル・パーク、ニューヨーク)で屋外彫刻も発表している。2020年はマーストリヒトのボンネファンテン美術館で大規模な回顧展『The Absence of Mark Manders』を開催。来年には東京都現代美術館でも個展が控えている(2021年3月20日〜6月20日予定)。

2018年にギャラリー小柳で二人展を試みたボレマンスとマンダースは、本展に際し、お互いの作品選びや展示空間に合わせた展示構成など、本展担当キュレーターを交えながら対話を重ねて、その内容を構想してきた。ボレマンスとマンダースの約80点の作品はもちろん、作品とSANAA(妹島和世+西沢立衛)の設計した金沢21世紀美術館の建築がつくりだす空間構成にも注目が高まる。

 


ミヒャエル・ボレマンス《機会の家(生涯のチャンス)》2003年, ゲント現代美術館蔵, Photo: Peter Cox, Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp


マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》2017‒2019年, Photo: EPW STUDIO, Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp & Tanya Bonakdar Gallery, New York


マーク・マンダース《2色のコンポジション》2005‒2020年, Photo: Peter Cox, Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp

 

ART iT Interview Archive
マーク・マンダース「〈石脚〉のみがよすがとなる」(2015年6月初出)

 

 


 

de-sport : 芸術によるスポーツの解体と再構築
2020年6月27日(土)- 9月27日(日)

アペルト12 安西剛「ポリ」
2020年6月27日(土)- 11月23日(日)

私たちの、私たちによる、私たちのための美術館
2020年7月18日(土)- 2021年3月21日(日)
コレクション展 スケールス
2020年10月17日(土)- 2021年5月9日(日)

Copyrighted Image