ドレス・コード?――着る人たちのゲーム @ 京都国立近代美術館


 

ドレス・コード?――着る人たちのゲーム
2019年8月9日(金)- 10月14日(月・祝)
京都国立近代美術館
http://www.momak.go.jp/
開館時間:9:30-17:00(金、土は21:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、8/12、9/16、9/23、10/14は開館)、8/13、9/17、9/24、10/15
企画:石関亮(京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーター)、牧口千夏(京都国立近代美術館主任研究員)
特設サイト:https://www.kci.or.jp/special/exhibitions2019/

 

京都国立近代美術館は、京都服飾文化研究財団(KCI)とともに、社会生活を送るうえで欠かせない文化的な営みのひとつとしての服を着るという行為に着目した展覧会『ドレス・コード?――着る人たちのゲーム』を開催する。KCIが収蔵する18世紀の宮廷服や20世紀初頭の紳士服といった歴史的な衣装類から現代の衣服を精選した約90点を中心に、美術、映画、マンガなどの視点を加え、現代における新たな〈ドレス・コード〉、私たちの装いの実践(ゲーム)を見つめ直す。

ファッションとは、単に流行の服やスタイルのことだけではなく、ある時代や地域、社会階層の文化や慣習と結びついた服装全般が含まれうる。そこには、暗黙の〈ドレス・コード〉ともいえるさまざまな形の規範やルールが存在し、しばしば人々の行動や思考にも影響を与えている。たとえば、学校や職場で制服やスーツを着ることは、学生や労働者の振る舞いに少なからず影響を与えているだろう。一方で、〈ドレス・コード〉は時に破られたり、置き換えられたりすることで、別のコードが生み出される。軍服や労働着として生産されたトレンチコートやデニムに見られるように、かつての用途=コードを失い、おしゃれのアイテムのひとつとして日常的に使用されているものも少なくない。コードの逸脱は、それ自体が表現になりうる。本展では、男性のスーツや制服から、本展に出品されるシャネル・スーツなどの普遍性を備えたスタイルやアイテム、グッチやルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソン、ヴェトモンといったブランドが手掛ける最新のスタイルまで、現代ファッションに見られるさまざまな装いを実例を紹介する。

 


COMME des GARÇONS HOMME PLUS(川久保玲)2009年秋冬
京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影


Maison Martin Margiela(マルタン・マルジェラ)1993年春夏(コート)、1993年秋冬(ドレス)
京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影

 

13の〈ドレス・コード〉から構成される本展では、上述したKCIのコレクションだけでなく、著名人に扮する森村泰昌のポートレイトから着ることを〈何者か〉になる行為として捉えたり、ドクメンタ14にも出品されたハンス・エイケルブームの「Photo Notes」(1992-2019)を通じてファッションにおける他者へ/からの眼差しを考察したり、石内都が撮る古着の写真から着用者の人格や記憶を想像するなど、現代美術の領域で活動するアーティストの多彩な実践を通じて、着ることの意味を深く掘り下げるほか、キャラクターと服装の関わりを文学や演劇、映画、マンガを通じて考察する。

 


ALAÏA(アズディン・アライア)、ASEEDONCLÖUD(玉井健太郎)、beautiful people(熊切秀典)、Burberry(クリストファー・ベイリー)、CHANEL(ガブリエル・シャネル、カール・ラガーフェルド)、CHRISTIAN DADA(森川マサノリ)、COMME des GARÇONS(川久保玲)、DIOR(ジョン・ガリアーノ、マリア・グラツィア・キウリ)、DIOR HOMME(エディ・スリマン)、FENDI(カール・ラガーフェルド)、GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)、GUCCI(アレッサンドロ・ミケーレ)、HELMUT LANG(ヘルムート・ラング)、ISSEY MIYAKE MEN(高橋悠介)、JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS(渡辺淳弥)、KOCHÉ(クリステル・コーシェ)、LOUIS VUITTON(ニコラ・ジェスキエール)、ジェフ・クーンズ×LOUIS VUITTON、MOSCHINO(ジェレミー・スコット)、Paul Smith(ポール・スミス)、Thom Browne(トム・ブラウン)、UNIQLO and J.W. ANDERSON(ジョナサン・アンダーソン)、Valentino(ピエールパオロ・ピッチョーリ)、Vetements(デムナ・ヴァザリア)、VIKTOR & ROLF(ヴィクター・ホルスティング、ロルフ・スノーレン)、Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)、Yohji Yamamoto(山本耀司)、YVES SAINT LAURENT(イヴ・サンローラン) ほか(※予定・アルファベット順)

ファッション以外
青山悟、石内都、アンディ・ウォーホル、ハンス・エイケルブーム、坂本眞一、チェルフィッチュ、都築響一、マームとジプシー、ミケランジェロ・ピストレット、元田敬三、森村泰昌、ローズマリー・トロッケル ほか(※予定・50音順)

 


森村泰昌「セルフポートレイト 駒場のマリリン」1995/2008年、豊田市美術館蔵


ハンス・エイケルブーム「フォト・ノーツ」1992-2019年、作家蔵 ©️Hans Eijeklboom


石内都「Frida by Ishiuchi #2」2012/2016年 ©️Ishiuchi Miyako

 

関連イベント
連続アーティスト・トーク
アーティスト:青山悟、元田敬三、ハンス・エイケルブーム、都築響一
2019年8月9日(金)15:00-
会場:京都国立近代美術館 企画展示室
定員:50名(先着順)
※無料(ただし要本展観覧券)当日14:00から聴講用ワイヤレス受信機を貸し出し

ギャラリートーク
2019年8月10日(土)18:30-|石関亮(京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーター)
2019年8月30日(金)18:30-|牧口千夏(京都国立近代美術館主任研究員)
2019年9月14日(土)18:30-|小形道正(京都服飾文化研究財団アシスタント・キュレーター)
会場:京都国立近代美術館 企画展示室
定員:各日20名(先着順)
※無料(要本展観覧券)当日17:00より1階受付にて整理券を配布

シンポジウム「ドレス・コード?――それぞれのファッション学の視点から」

登壇者:内村理奈(日本女子大学家政学部 准教授)
平芳裕子(神戸大学大学院人間発達環境学研究科 准教授)
井上雅人(武庫川女子大学生活環境学部 准教授)
小形道正(京都服飾文化研究財団アシスタント・キュレーター)
2019年8月31日(土)13:30-(開場:13:00、終了予定時刻:16:30)
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:80名(先着順)
※無料(要本展観覧券)当日11:00より1階受付にて整理券を配布(整理券はひとり1枚のみ)

ICOM京都大会関連/コスチューム部会によるセッション
2019年9月3日(火)13:30-18:00
会場:京都国立近代美術館1階講堂
※残席があれば聴講可能

ワークショップ「2050年のドレス・コードを考えよう!」
ファシリテーター:水野大二郎(芸術博士(ファッションデザイン)、京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab特任教授)ほか
講師:石関亮(京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーター)
2019年9月8日(日)12:10-16:30(開場:11:40)※展覧会見学付き、途中休憩あり
会場:京都国立近代美術館1階講堂、企画展示室
定員:50名(事前申込制)
参加費:1,620円(税込、当日の展覧会観覧券含む)
申込み方法、詳細は下記ワコールスタディホール京都ホームページより
https://www.wacoal.jp/studyhall/school/event/article96297

手話とアート「それってどんな服?~sign language dress up~」
2019年9月16日(月・祝)13:30-16:00
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:20名(抽選制。当選者には8/23までに連絡あり)
参加費:無料(要本展観覧券)
申込み締め切り:8/20(火)必着
https://www.kci.or.jp/special/exhibitions2019/event.html

子どものワークショップ 着せかえ紙人形を使って19世紀のファッション・デザイナーになろう!
2019年9月21日(土)、9月28日(土)
各日13:00-16:00(開催時間内の途中参加可)
会場:京都国立近代美術館1階ロビー
定員:50名(先着順)
対象:3歳以上(ただし未就学児は保護者同伴のこと。大人も参加可)
無料、事前申込不要、持ち物不要

スタイリスト髙山エリ氏トークイベント
「楽しくなければ、ファッションじゃない!~現代のドレス・コードを語る~」

登壇者:髙山エリ(スタイリスト)、筒井直子(京都服飾文化研究財団キュレーター)
2019年10月12日(土)14:00-(1時間程度、開場:13:30)
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:70席(先着順)
無料(要本展観覧券)

映画上映[NFAJ 所蔵作品選集]
MoMAK Films 2019:学園のドレス・コード

2019年8月24日(土)、25日(日)各日14:00-
会場:京都国立近代美術館1階講堂
主催:京都国立近代美術館、国立映画アーカイブ(NFAJ)
料金:1プログラム520円、当日券のみ、先着100席
上映作品など詳細は下記URLを参照
http://www.momak.go.jp/Japanese/films/2019/momakFilms2.html

 


ジェフ・クーンズ×LOUIS VUITTON、2017年、京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影

 

巡回会場
ドレス・コード?――着る人たちのゲーム
2019年12月8日(日)- 2020年2月23日(日)
熊本市現代美術館
https://www.camk.jp/

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