新・今日の作家展2018 定点なき視点 @ 横浜市民ギャラリー


川村麻純「home/making」2018年、映像インスタレーション、20分 ※参考図版

 

新・今日の作家展2018
定点なき視点
2018年9月21日(金)-10月8日(月・祝)
横浜市民ギャラリー
http://ycag.yafjp.org/
開場時間:10:00-18:00 入場は閉館30分前まで
会期中無休

 

横浜市民ギャラリーでは、同時代の作家および作品を紹介する企画展を開催する。本展では、岩井優、川村麻純、阪田清子の3名の作品を「定点なき視点」のタイトルの下で紹介する。

横浜市民ギャラリーが1964年の開館当時から、第一線で活躍するアーティストから将来を嘱望される新人まで、同時代の現代美術の動向と今後を探る企画展を継続している。2016年から企画展を「新・今日の作家展」と改名し、2016年は「創造の場所-もの派から現代へ」(斎藤義重、榎倉康二、菅木志雄、池内晶子、鈴木孝幸)、2017年は「キオクのかたち/キロクのかたち」(久保ガエタン、小森はるか+瀬尾夏美、是恒さくら、笹岡啓子)を開催している。

本展タイトルの「定点なき視点」とは、視点をあえて定めず、二項対立的な思考からも距離を置いて、ある境界を揺るがせながら見えなかった状況や新しい関係性を見出す姿勢を表している。岩井優(1975年京都府生まれ)は、国内外のコミュニティに入り生活や価値観を共有する「参与的手法」で、法や伝統など多様な視点から各地の状況を照射してきた。また、川村麻純(1975年千葉県生まれ)は、個人の記憶や他者との関係性に関心を持ち、家族という関係を題材に社会的な問題を取り込んだ表現を探求してきた。そして、阪田清子(1972年新潟県生まれ)は、沖縄を拠点に活動するなかで感じた自己の不確かな立ち位置を出発点に、土地や国家間の歴史や制度に着目してその意味を問うてきた。本展は、このような定点なき視点から、さまざまな事象やアイデンティティについて思考を巡らす3名の新作とこれまでの作品を通して、日常や世界を再認識し、新たな気づきの誘発を目指す。

 


阪田清子「対岸について」2016年、映像、20分、長篇詩集「新潟」より(詩:金時鐘)


岩井優「作業にまつわるジオロジー」2018年、シングルチャンネル・4Kビデオ、サウンド、Footage from Sebastian Matthias “x/groove space” Berlin, 2016

 

関連イベント
対談「舟と橋、想像力について」
阪田清子 x 倉石信乃(明治大学理工学研究科総合芸術系教授)
2018年9月22日(土)15:00-16:30
会場:横浜市民ギャラリー4階アトリエ

対談「幽霊のはなし」
岩井優 x 久保明教(一橋大学大学院社会学研究科准教授)
2018年9月29日(土)15:00-16:30
会場:横浜市民ギャラリー4階アトリエ

対談「他者との関係性について」
川村麻純 x 鈴木理策(写真家)
2018年10月6日(土)15:00-16:30
会場:横浜市民ギャラリー4階アトリエ

学芸員によるギャラリートーク
2018年9月30日(土)14:00-14:30
会場:横浜市民ギャラリー展示室1、B1

※いずれも参加無料、申込不要

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