クリスチャン・ヤンコフスキー「Floating World」@ 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA


クリスチャン・ヤンコフスキー 2018年6月のリサーチの様子(撮影:松見拓也 提供:京都市立芸術大学)

 

クリスチャン・ヤンコフスキー「Floating World」
2018年9月15日(土)-10月28日(日)
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
http://gallery.kcua.ac.jp/
開館時間:11:00-19:00(10/5はニュイ・ブランシュKYOTO2018のため22:00まで)
休館日:月(ただし、9/17、9/24は開館)10/1、10/15、10/22
※オープニング・レセプション:9月15日(土)16:00-19:00

 

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、さまざまな業種の人々と協働しながら、現代美術とそれ以外の領域の相互作用を生み出す作品や展覧会制作で知られるベルリン在住のアーティスト、クリスチャン・ヤンコフスキーの個展『Floating World』を開催する。5年後にキャンパスの移転を控える京都市立芸術大学は、芸術、大学、地域の関係性を捉え直す作業を通じて、社会に開かれた芸術大学の姿を模索しており、現代美術とは異なる世界との接続を通じて社会に問いかけ続けるヤンコフスキーを招聘し、京都およびその周辺で活動する若手アーティストや学生などとの恊働を通じて、芸術大学と社会との関わりを探る上での新たな視点の獲得を試みる。

クリスチャン・ヤンコフスキー(1968年ドイツ・ゲッティンゲン生まれ)は、手品師や政治家、ニュースキャスター、バチカン市国の司祭など、さまざまな専門家との協働や、テレビ番組や雑誌、ビルボードなどマスメディアの形式の採用を通じて、スペクタクルに基づく社会に対する反省、脱構築、批評を促す試みを展開している。ハンブルク芸術大学を卒業し、90年代前半より、同地のインディペンデント・スペース「Friedensallee 12」でのキュレーションや作品の発表を開始する。1997年にハラルド・ゼーマンが企画を務めた第4回リヨン・ビエンナーレに参加し、翌年にフランクフルトのポルティクスで個展を開催。99年には第48回ヴェネツィア・ビエンナーレのアペルトに参加した際に、イタリア語を学んで、同国のテレビ番組で5人の占い師に自分自身のアーティストとしての未来とビエンナーレ成功に対する貢献を占ってもらった様子をまとめた映像作品「Telemistica」を発表し、国際的な注目を集める。以後、ローマ現代美術館(2003)、シュトゥットガルト州立美術館(2008)、シケイロス美術館(メキシコシティ、2012)、テルアビブ現代美術センター(2014)、CFAベルリン(2016)などで個展を開催。第2回ベルリン・ビエンナーレ(2001)、ホイットニー・ビエンナーレ2002、第17回シドニー・ビエンナーレ(2010)、台北ビエンナーレ2010、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2013)など、世界各地の国際展や企画展に数多く参加している。また、ヤンコフスキーは2016年にチューリッヒで開かれたマニフェスタ11のチーフ・キュレーターを務め、「What people do for money – some joint ventures」のテーマのもと、参加アーティストと現代美術とは異なる分野の専門家が協働して作品制作に取り組んだ。

日本国内では『ゼロ年代のベルリン わたしたちに許された特別な場所の現在』(東京都現代美術館、2011)で、バチカン市国の司祭が審査員を務め、オーディション形式で13人の俳優の中からキリスト役を選び出す様子を映した「キャスティング・ジーザス」を出品。第5回恵比寿映像祭(2013)では、ヤンコフスキーと撮影クルーが目隠しをしたままドバイで撮影、録音を行なう「ドバイの瞳」(2012)と、メキシコのテレビ局と協力し、テレビドラマの全シーンを同じ俳優陣が泣きながら再演する「人類の行進に涙する」(2012)を出品。昨年のヨコハマトリエンナーレ2017では、身体と公共彫刻の関係性に言及した「重量級の歴史」(2013)、「アーティスティック・ジムナスティック」(2014)、日本で制作した新作「マッサージ・マスターズ」(2017)を横浜赤レンガ倉庫1号館で発表した。

本展では、ヤンコフスキーが2018年6月に京都で制作した龍崎飛鳥(京都祇園 Bizarre Lounge「BAR-BARA -the Bizarre-」)の緊縛とのコラボレーションによるテストピース、京都市立芸術大学出身のアーティストや学生などを交えたレクチャーパフォーマンスを題材とした複数の作品を発表する。オープニングには、龍崎をゲストに迎え、ヤンコフスキーとの対談、また、オープニングの週末2日間限定で映像作品上映会を行なう。

 

関連イベント
クリスチャン・ヤンコフスキー映像作品上映会
2018年9月15日(土)、9月16日(日)各日とも11:00-19:00
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
無料、申込不要
※映像は英語もしくは英語字幕付き

クリスチャン・ヤンコフスキー「Floating World」ギャラリー・トーク
出演:クリスチャン・ヤンコフスキー、龍崎飛鳥(京都祇園 Bizarre Lounge「BAR-BARA -the Bizarre-」)
2018年9月15日(土)14:00-
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
無料、申込不要

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