イサム・ノグチ-彫刻から身体・庭へ- @ 東京オペラシティ アートギャラリー


イサム・ノグチ「チェイス・マンハッタン銀行プラザのための沈床園」1961-64年 ©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] – JASPAR. Photo by Arthur Levine.

 

イサム・ノグチ-彫刻から身体・庭へ-
2018年7月14日(土)-9月24日(月)
東京オペラシティ アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/
展覧会特設サイト:https://www.operacity.jp/ag/exh211/
開館時間:11:00-19:00(金、土は20:00まで)最終入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし祝日の場合は翌火曜)、8/5
企画担当:福士理(東京オペラシティ アートギャラリー シニアキュレーター)

 

東京オペラシティ アートギャラリーでは、没後30年を迎えるにあたり、国内では12年ぶりとなる本格的なイサム・ノグチの回顧展を開催する。ノグチが意識し続けた身体性への問いを軸に、国内外所蔵の80余点を通じて、その領域横断的な活動の全容を紹介する。

イサム・ノグチは、1904年のロサンゼルスで詩人の野口米次郎と編集者のレオニー・ギルモアのもとに生まれる。彫刻をはじめ、舞台美術や家具、照明器具、陶芸、そして、庭やランドスケープ・デザインまで、幅広い制作活動を展開した。制作の拠点にしていたニューヨークと香川県牟礼町のスタジオは、現在、それぞれイサム・ノグチ庭園美術館として運営されている。また、2005年には最晩年に基本設計を手がけた「モエレ沼公園」が札幌市にオープンし、札幌国際芸術祭のメイン会場のひとつとしても利用されている。

本展第1章「身体との対話」では、初期作品を通じて、ノグチの制作における身体性への問いかけを振り返る。なかでも、ブランクーシに師事した後にパリを離れ北京に滞在した際に制作した「北京ドローイング」8点を一堂に展示するのは国内初の試み。また、1930年代半ばより30年以上にわたり続いたマーサ・グラハムとの共同作業に着目し、ノグチの舞台関係の仕事を紹介する。第2章「日本との再会」では、幼少期を過ごしたのみならず戦後の再来日によりはじまった建築家の谷口吉郎や陶芸家の北大路魯山人ら多くの芸術家たちとの交流に着目する。ここでは代表作として知られ、現在も照明器具として愛されている光の彫刻「あかり」も紹介。社会や生活の中に彫刻として機能する作品を生み出そうとしたノグチの総合的なビジョンを提示する。第3章「空間の彫刻-庭へ」は、ノグチが最晩年に至るまで長く手がけた庭や公園、ランドスケープなど、大地を素材とする「彫刻」を紹介する。八面体に球体状のヴォイドを穿った遊具「オクテトラ」をはじめとするプレイ・スカルプチャーからは、ノグチの親友だったバックミンスター・フラーからの影響もうかがえる。第4章「自然との交感-石の彫刻」では、単なる素材ではなく、地球の悠久の歴史や自然の摂理を語る根源的な物質としてノグチが取り組んだ「石」の彫刻に焦点をあてる。

 


イサム・ノグチ「北京ドローイング(横たわる男)」1930年、インク、紙、イサム・ノグチ庭園美術館(ニューヨーク)蔵 ©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] – JASPAR. Photo by Kevin Noble.


イサム・ノグチ「オクテトラの模型」1968年、石膏、彩色、イサム・ノグチ庭園美術館(ニューヨーク)蔵 ©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] – JASPAR. Photo by Kevin Noble.

 

会期初日には、本展開催記念トーク「コラボレーターが語るノグチの制作の現場と”未来への贈り物”」をパークタワーホールで開催する。登壇者は、「黒い太陽」(シアトル美術館)や「つくばい」(最高裁判所)、「天国」(草月会館)などを共同制作、25年間にわたってノグチの制作活動に協力した石彫家の和泉正敏、バックミンスター・フラーの数々のプロジェクトに協力し、フラーを通じて、ノグチに出会い、ノグチのプロジェクトにも協力したショージ・サダオ、西武美術館・セゾン美術館学芸員時代にイサム・ノグチの展覧会を企画、著書に『イサム・ノグチ 庭の芸術への旅』(武蔵野美術大学出版、2018)などがある大分県立美術館館長の新見隆。イベントは要事前申込。

 


イサム・ノグチ「あかり」デザイン1953年〜、紙、竹、金属、香川県立ミュージアム蔵


イサム・ノグチ「空間のうねり#2」1968年、アフリカ産花崗岩、イサム・ノグチ庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] – JASPAR. Photo by Michio Noguchi.

 

関連イベント
開催記念トーク
コラボレーターが語るノグチの制作の現場と”未来への贈り物”
登壇者:和泉正敏(石彫家、イサム・ノグチ日本財団理事長)
ショージ・サダオ(建築家、イサム・ノグチ庭園美術館名誉理事)
新見隆(大分県立美術館館長)
2018年7月14日(土)13:00-15:00(開場:12:00)
会場:パークタワーホール(東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー3階)
定員:200名(要事前申込)
参加費:1,000円(一般)
申込方法および詳細は下記URLを参照。
https://www.ozone.co.jp/pro/seminar/detail/584

 


イサム・ノグチ「マーサ・グラハムの舞台「ヘロディアド」のための舞台装置」1944年 ©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] – JASPAR. Photo by Arnold Eagle.

 


 

同時開催
収蔵品展063 うつろうかたち-寺田コレクションの抽象
2018年7月14日(土)-9月24日(月)
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project N 72 木村彩子
2018年7月14日(土)-9月24日(月)
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