松谷武判《二つの形》2022年 作家蔵 Courtesy the artist and Hauser & Wirth
©Takesada Matsutani Photo: Benoît Fougeirol
松谷武判 Takesada Matsutani
2023年10月3日（木）－12月17日（火）
東京オペラシティ アートギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/
開館時間：11:00–19:00 入場は閉館30分前まで
休館日：月（祝休日の場合は翌火曜日）
展覧会担当：福士理（東京オペラシティ アートギャラリー キュレーター）
展覧会URL：https://www.operacity.jp/ag/exh279/
東京オペラシティ アートギャラリーでは、官能性や生命性、時間や運動、目には見えない「力」を、フォルムと物質の両面から語りかけるような表現で具体美術協会の第2世代の作家として頭角を現し、87歳になる現在もパリを拠点に旺盛な制作を続ける松谷武判の国内初となる包括的な回顧展「松谷武判 Takesada Matsutani」を開催する。
松谷武判（1937年大阪府生まれ）は、60年を越える活動を通して、物質が示す表情や肌理、存在感と生命の波動、流動を交錯させる制作を続けてきた。14歳で結核にかかり、22歳まで8年にわたり闘病。その間に日本画を学んだ。1963年に戦後日本の前衛芸術を牽引した具体美術協会の会員となり、当時の新素材であるビニール系接着剤（ボンド）を使って有機的フォルムを生み出すレリーフ状の作品を発表。66年に渡仏し、パリを拠点に版画制作に取り組み独自の有機的フォルムによる空間表現を深めた。70年代後半になると、ボンドによる造形に鉛筆の黒鉛を重ねた漆黒の作品で独自の境地を拓く。作品は建築を取り込んだインスタレーションの形をとることも多くなり、パフォーマンス作品も積極的に発表。西宮大谷記念美術館（2015、2000）、神奈川県立近代美術館 鎌倉（2010）のほか、近年はHauser & Wirthをベースに各国で個展を開催。2017年の第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展「Viva Arte Viva」では大規模なインスタレーション《流れ—ヴェニス》を出品し、2019年にはポンピドゥー・センターで回顧展を開催するなど、改めて国際的な評価を高めている。
松谷武判《丸い丘》2023年 作家蔵 Courtesy the artist and Hauser & Wirth
©Takesada Matsutani Photo: Nicolas Brasseur
松谷武判《圧迫》1958年 作家蔵 Courtesy the artist
©Takesada Matsutani Photo: Kaoru Minamino
本展では、最新の調査に基づいて構成される初期から最新作を含む作品、資料、映像など200点以上によって松谷の全貌を紹介する。ボンドで未知の表現を拓いた初期作品から始まり、パリ時代初期の版画での新たな取り組み、紙と鉛筆を用いた生命的な時間を胚胎させる表現を確立し、ボンドによる有機的な造形と組み合わせた70年代後半の作品群、近作へと、時系列に沿って松谷の表現の変遷をたどる。さらに未公開のスケッチブック、制作日誌、ドローイングなどから、制作の背後に分け入り、松谷の時期ごとの関心のありかや多様な表現を根底から支える一貫した関心のありかを浮かび上がらせる。
松谷武判《Soft and Hard 9-11-2010》2010年 作家蔵 Courtesy the artist and Hauser & Wirth
©Takesada Matsutani Photo: Marc Domage
松谷武判《日本海-8》1978年 芦屋市立美術博物館蔵
同時開催
抽象の小径 収蔵品展081 寺田コレクションより
2023年10月3日（木）－12月17日（火）
東京オペラシティ アートギャラリー ギャラリー 4
https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=305
project N 96 ナカバヤシアリサ
2023年10月3日（木）－12月17日（火）
東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール
https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=306
松谷武判《オブジェクト-C》1975年 和歌山県立近代美術館蔵
松谷武判《「スケッチブック、パリ 1989-1993」より》1990年 作家蔵 Courtesy the artist and Hauser & Wirth
©Takesada Matsutani Photo: Nicolas Brasseur