平田晃久 Discovering New @ TOTOギャラリー・間


太田市美術館・図書館 © Daici Ano

 

平田晃久 Discovering New
2018年5月24日(木)-7月15日(日)
TOTOギャラリー・間
https://jp.toto.com/gallerma/
開館時間:11:00-18:00
休館日:月

 

TOTOギャラリー・間では、建築を広義の生命活動として再発見することで新たな可能性を探し求める建築家、平田晃久の個展『平田晃久 Discovering New』を開催している。

平田晃久(1971年大阪府生まれ)は、建築を「生成する生命活動の一部」ととらえ、植物・生物・気象現象などの有機活動をつかさどる摂理を建築に取り込むことで、建築の本来のあり方を模索してきた。1997年に京都大学大学院を修了、伊東豊雄建築設計事務所勤務を経て、2005年に平田晃久建築設計事務所を設立した。2006年に手がけた新潟の農機具ショールーム「枡屋本展」で第19回JIA新人賞を受賞するなど、高い評価を受ける。2011年には、東京都現代美術館敷地内に「Bloomberg Pavilion」を仮設し、同パヴィリオン内では、狩野哲郎や蓮沼執太、小林史子、毛利悠子らが作品を発表した。2011年にはLIXIL出版から『現代建築家コンセプト・シリーズ8 平田晃久 建築とは〈からまりしろ〉をつくることである』を出版。同書のタイトルに用いた平田自身の建築のコンセプト、「建築とはからまりしろをつくることである」とは、建築が一個体としての役割を超えて、生きている世界の一部となる可能性を見出すものを意味する。

 


Tree-ness House © Vincent Hecht

 

その後も、2012年には、伊東豊雄がコミッショナーを務めた第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示に参加し、金獅子賞を受賞。「日本キリスト教団東戸塚教会」(2015)で日本建築学会賞を受賞、2016年にはニューヨーク近代美術館で開催された『Japanese Constellation: Toyo Ito, SANAA, and Beyond』に参加するなど、精力的な活動を展開している。なかでも、第31回村野藤吾賞を受賞した「太田市美術館・図書館」(2017)は、平田の思想が公共建築として結実した建築で、市民を巻き込んだ設計プロセスを経て、内と外が有機的に絡まり合う豊かな公共空間を実現し、街の新たなランドマークとして多様な活動の場を提供している。また、同じく2017年に完成した住宅・ギャラリーTree-ness house」は、複雑に積層したボックスにひだ状の開口部と植物が絡まりあい、都市部における多層的な居住環境を生み出している。

本展では、平田の建築活動の現在の到達点を示すものとして、過去約10年間に取り組んだ国内外の建築活動と進行中のプロジェクトを、コンセプト別に体系化し俯瞰することで、平田氏の建築哲学と世界観を紹介する。また、本展に合わせて、TOTO出版より作品集『Discovering New』を刊行する。

 

関連企画
平田晃久講演会「Discovering New」
2018年5月31日(木)18:30-20:30(開場17:30)
会場:イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
500名(事前申込制)、無料 ※既に申込受付終了。
https://jp.toto.com/gallerma/ex180524/sympsm.htm

 


TaipeiComplex © Yukikazu Ito


Taipei Roofs © akihisa hirata architecture office

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