Art Basel Paris, Courtesy of Art Basel
6月中旬にスイス、バーゼルでの開催が目前に迫るアートバーゼルは、今秋、パリのグラン・パレで開かれる「アートバーゼル・パリ」が2026年のラインナップを発表した。前任のクレマン・ドゥレピーヌのあとを受けて、新しいディレクターに就任したカリム・クリッパの下で開かれる最初のアートバーゼル・パリには、41カ国/地域から200軒のギャラリーが集結。会期中の市内では、パリ・アートウィークと称して、大小さまざまな企画が美術機関やギャラリーなどで催される。
アートバーゼル・パリは、アートバーゼルが運営する4つ目のアートフェア「Paris+ par Art Basel」として2022年に始まり、2024年の改称を経て、5度目の開催となる。アート・バーゼルとUBSが共同で発表している年次レポート「アートマーケット・レポート2026」によれば、フランスはEU最大、世界第4位の市場規模を有し、アートバーゼル・パリの注目度も回を追うごとに高まっている。
フェアの核となるギャラリーズ(Galleries)には、エマージェンスから昇格したPetrine(パリ、デュッセルドルフ)とThe Pill(イスタンブール、パリ)を含む数々のパリに拠点を置くギャラリーから、世界各地に支店を構えるGagosian、Hauser & Wirth、David Zwirner、アートバーゼル常連のタカ・イシイギャラリーやKukje Gallery(ソウル)、ジョイント・ブースでの出展となるMISAKO&ROSENとIsabella Ritter(パリ)、Take NinagawaとTina Kim Gallery(ニューヨーク)など、180軒以上のギャラリーが参加する。
Art Basel Paris 2025, Courtesy of Art Basel
新進アーティストの個展形式を条件とするエマージェンス(Emergence)には、ウェールズのモーン/アングルシー島出身のアンガラッド・ウィリアムズを取り上げるKIN(ブリュッセル)や、ソウル出身のチェ・ハヌルを取り上げるP21(ソウル)など、16軒中12軒が初出展。東アジア、東南アジアからは、Bank(上海)がチャン・イーベイ、ROH(ジャカルタ)が、タオ・グエン・ファンの個展形式で参加する。
展示内容に独自のキュレーションが求められるプレミス(Premise)には、初出展6軒を含む9軒が参加。前回に続く参加となるGalerie Eric Mouchet(パリ、ブリュッセル)は、アーティストのみならず建築家、グラフィックデザイナーとしても活動したロベルト・ミヒャエル(1897–1978)のワイマール・ダダ期の作品を、フェアに合わせて制作した図録とともに紹介し、同じく前回に続く参加となるPavec(パリ)は、マルセイユのカンティーニ美術館での回顧展が2027年に予定されているシュルレアリストのジャクリーヌ・ランバ(1910–1993)の〈Sources〉シリーズ(1960–1980)を出品。初参加のkó(ラゴス)は、ナイジェリア美術の近代化を推進したザリア・アート・ソサイエティの設立メンバーのひとり、ウチェ・オケケ(1933–2016)の作品と、ンスカ大学(現・ナイジェリア大学)で教えたオケケの下で学んだオビオラ・ウデチュクとエル・アナツイの作品を併せて出品する。
また、10月23日と24日の2日間には、美術界の外からゲスト・コラボレーターを招いて行なう展示プログラム「Oh La La!」を開催(キュレーターとテーマは後日発表)。パブリック・プログラムのオフィシャルパートナーのミュウミュウの協力の下、トークシリーズ「カンバセーションズ(Conversations)」なども開催する。
Art Basel Paris 2025, Courtesy of Art Basel
同時期のパリ市内では、ジュ・ド・ポーム国立美術館のスタン・ダグラスの個展「Parallax」や、パリ市立近代美術館で開かれるケリー・ジェームス・マーシャルやシモーヌ・ファタルの個展、「マルセル・デュシャン賞2026」、ピノー財団のブルス・ドゥ・コメルスの、バーバラ・クルーガーの《Remember Me》を起点にコレクションにおける写真作品を中心に構成した企画展「Remember Me」が注目。
また、カルティエ財団現代美術館では、イブラヒム・マハマの個展「The Harvest Season」、ラファイエット・アンティシパシオンでは、西村有の個展「Towards a Sea」、フォンダシオン ルイ・ヴィトンでは、近代美術の先駆的コレクターであり、自身も数々の創作を手がけたギュスターヴ・フェイエ(1865–1925)を取り上げた企画展「GUSTAVE FAYET: Collectionneur – Créateur」を開催。さらに、オルセー美術館では、ジェニー・ホルツァーが建物外観へのプロジェクションをはじめ、自作や所蔵作品で構成する個展「J’ai vu / I Have Seen」や、メアリー・カサット(1844–1926)の個展「The Choice of Independence」、オランジュリー美術館では、クロード・モネの個展「Monet, painting time」、ピカソ美術館では、クルト・シュヴィッタースの個展「Total Schwitters」が開催される。なお、ポンピドゥー・センターは2030年まで長期改修工事中。
アートバーゼル・パリ2026
2026年10月23日(金)–10月25日(日)※内覧会は10月21日、22日
https://www.artbasel.com/paris/
