
昨年3月に満100歳で亡くなった、和歌山県田辺市出身の日本画家、稗田一穗 (1920–2021)の回顧展です。
10代半ばで日本画家を志した稗田は、東京美術学校に学び、戦後、本格的に画家としての活動を始めました。鳥を主要なモチーフとした生命を寿ぐような素朴で力強い表現や、世界的な絵画動向を意識しつつ画材の特質も発揮した画面構成は、日本画の地平を拓くものとなります。
60歳を迎える頃よりは、故郷、和歌山の熊野の地をモチーフにした、悠久の時間を想わせる荘厳な風景と、長らく生活を営んだ東京の成城の町をモチーフにした、詩情あふれる日常の風景が主要なテーマに加わり、個々の作品はもちろん、あちらとこちらを行きかうなかで、見る者を深い思索と想像に誘う独自の世界観を築きます。
この展覧会では、各時代の主要な作品を通して稗田の画業全体をふり返るとともに、アトリエに遺された画稿やスケッチブックなどを合わせて紹介することで、その創作の過程もたどります。80年以上を日本画の研究に費やし、戦前から戦後の絵画に大きな足跡を残した画家の画業を改めてご覧いただくことで、故人を偲ぶ機会といたします。
*10月11日に一部作品の展示替えを行います。


会場 | 和歌山県立近代美術館 2階展示室 |
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会期 | 2022年09月10日(土)~11月06日(日) |
開館時間 | 9時30分〜17時[入場は16時30分まで] |
休館日 | 月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火) |
観覧料 | 一般 800(640)円、大学生 500(400)円 ( )内は 20 名以上の団体料金 *高校生以下、65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料 *9月24日、10月22日(毎月第4土曜日) は「紀陽文化財団の日」として大学生無料 *10月2日(日)は無料 |
主催 | 和歌山県立近代美術館 |
関連事業 | 和歌山県立近代美術館のサイトをご覧ください |