「潸潸、燦燦|Echoes」(さんさん、さんさん|エコーズ)は、熊本出身の美術家、映像作家 中村壮志の地元での初個展です。
映画や文学、音楽、個人的な出来事などを起点に制作する中村は、今回、民俗文化である「雨乞い太鼓」に着想を得て、サウンドとオブジェクトで構成された新作のインスタレーションを発表します。
光や音が明滅し、楽器、鉱物、家族の所有物 など部屋に置かれたオブジェクトが微細に振動し続ける、まるで異界の、または馴染み深い劇場のような空間が立ち現れます。中村は、「雨乞い太鼓」を呪術的行為と捉え、自然のその先に人が感知する「見えないもの」への「祈り」と「抵抗」という異なる感情のせめぎ合いから、人が自然や未知なるものと切り結ぶ関係のあり方を描き出します。近代的思考に潜在する二分法の境界に新たな地平を切り拓いていくその姿勢は、今の時代を生き抜く抵抗の狼煙(のろし)となるでしょう。
◆関連イベント
[アーティストトーク]
本展アーティストが自身の作品や活動について語ります。その後、作家と交流する時間を設けます。
日時:1 月25 日(土)17:00 ~
場所:アートラボマーケット
*このほかにも、会期中にイベントの開催を予定しています。最新情報は、美術館ホームページやSNS でご確認ください。