吉原治良「黒地に赤い円」1965年 兵庫県立美術館蔵
国立新美術館開館5周年『「具体」—ニッポンの前衛 18年の軌跡』
7月4日(水)–9月10日(月)
国立新美術館
http://www.nact.jp/
開館日時:水–月 10:00-18:00(金曜は20時まで)※入場は閉館の30分前まで
今年で開館5周年を迎えた国立新美術館では、戦後日本の代表的な前衛美術グループ「具体」を取り上げた展覧会『「具体」—ニッポンの前衛 18年の軌跡』を開催する。
具体美術協会は1954年、吉原治良をリーダーに阪神地域在住の若いアーティストで結成される。1972年の解散まで、吉原の「これまでになかったものを作れ」という指示や、公園や舞台などを使う展覧会企画に刺激される形で、さまざまな作品を発表し続けた。当時、国内ではほとんど注目されなかったものの、海外で高い評価を受け、“GUTAI”の名は1950年代後半から欧米の美術界で広く知られ、解散後も回顧展が継続して企画されている。2009年には第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2009)のテーマ展に作品が出品されている。また、2013年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館で大規模な展覧会が予定されている。
国内では1980年代に入り関西を中心に回顧展が開かれてきたものの、東京では1990年に渋谷区立松濤美術館で行なわれた『〈具体〉未完の前衛集団』以来、本展が「具体」の全容を振り返る初めての機会となる。その展示内容は、彼らの18年間の活動を6章に分け、年代順に振り返る構成となる。会期中にシンポジウムや元「具体」会員のアーティストによる座談会も企画されている。
シンポジウム:「具体」再評価の過去と現在
7月14日(土)13:00-17:00(12:30開場)
河崎晃一(インディペンデント・キュレーター)
萬木康博(美術評論家)
マテイヤス・フィッサー(ゼロ・ファンデーション創立ディレクター)
ミン・ティアンポ(カールトン大学准教授、グッゲンハイム美術館「具体」展共同キュレーター)
平井章一(国立新美術館主任研究員・本展担当者)
会場:国立新美術館3階講堂
定員:260名(先着順。聴講無料)※要本展観覧券(半券可)
座談会:“3M”から見た「具体」
8月4日(土)14:00-15:30(1330開場)
前川強
松谷武判
向井修二
(いずれも元「具体」会員)
会場:国立新美術館3階講堂
定員:260名(先着順。聴講無料)※要本展観覧券(半券可)
※各イベントの日時や内容は変更される場合があります。
(文中敬称略)