レポート:「中園町で逢いましょう vol.3」

▼「中園町で逢いましょう vol.3」終了!

8月13日(土)と14日(日)に、YCAMと市民が協働するアートプロジェクト「meet the artist 2022」の一環として、プロジェクトの舞台となる旧金子邸の現在の状況を伝えるイベント「中園町で逢いましょう vol.3」を開催し、終了しました。ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

撮影:谷康弘

今回も、プロジェクトの舞台となる建物を公開しつつ、プロジェクトのテーマに沿った書籍の展示や、電子音楽などのパフォーマンス、ワークショップを開催し、プロジェクトの現在の姿をお届けしました。

撮影:谷康弘

13日は写真家で音楽家でもある谷康弘がパフォーマンスを披露。家の各所や床下にマイクやスピーカーを仕込み、様々な音を生成する機材をつかって、拡張させていきます。その手法は前回と同じではあるのですが、その日の気温や湿度などによって、家や外気の状態が異なるため、音の聞こえ方も前回とは少し違います。中には屋外から床の下に耳をかたむけている人もいました。家全体がサウンドインスタレーションとして成立していく過程が、来訪者の鑑賞の様子からも垣間見ることが出来ました。

撮影:廣田祐也

14日は7月の「中園町で逢いましょう vol.2」で実施したパフォーマンスについて、その時に撮影した映像を見ながら、リフレクションを行いました。それぞれが、家を使っていることや、日常生活の中で自然に発音される音、訪れた人を体験の中に巻き込むことを意識していたと言います。そして今後、この家でやってみたいことをディスカッションし、メンバーも含めて、この音のパフォーマンスを今後どのように展開させていくと良いかなども語り合いました。

撮影:廣田祐也

また両日とも「ゆっくりこわすを考える」と題したワークショップを開催。建物を解体するにあたり、どこをどう残して、どこをどう解体していくかをみんなで考えるものです。たとえば旧金子邸には過去に何度か増築を行ったことで出来た、なぜここにあるのか解らないドアが家の真ん中にあります。開くけど、開く必要のない場所にあるこのドアは、素敵な模様のガラスがはってあり、その出番を待つかのようでもあります。参加者の1人は、このドアを外からも見えるようにして、みんなが開くように仕事をさせてあげたいと言います。また他の参加者は、玄関のたたき台だけ残してゆっくりベンチとして座りたいと言いますが、別の参加者はそこに座って対談などを行うイベントを開催したらどうだろうといったようなアイデアの相乗作用も生まれていきました。今回も両日のワークショップを通して、続々と新しいアイデアが蓄積されていきました。これらのアイデアはスケッチされ、旧金子邸に掲示されていますので、来訪された際はぜひご覧ください。

撮影:谷康弘

次回の「中園町で逢いましょうvol.4」は9月11日(日)、12日(月)に開催します。そのほかにも多くのイベントを開催しますので、YCAMのウェブサイトなどを随時、チェックしてみてください。また、本プロジェクトでは随時、プロジェクトメンバーを募集しています。こちらはYCAMのウェブサイトのお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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