2011年7月5日、戦後美術を代表する作家のひとりであるアメリカ人画家サイ・トゥオンブリーがローマの病院にて死去した。83歳。直接の死因は不明だが、ニューヨークタイムズによると、数年来癌を患っていたとのこと。
トゥオンブリーは1928年にバージニア州に生まれ、ボストン美術館付属芸術大学、アート・スチューデンツ・リーグやブラック・マウンテン・カレッジにて美術教育を受ける。1950年代半ばにロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズらとともに注目を集めた後、1957年にローマへと制作の拠点を移した。1968年にミルウォーキー・アートセンターにて行われた最初の回顧展以来、近年にいたるまで世界各地で数多くの回顧展が開催されている。1995年にはトゥオンブリーのスケッチをもとにレンゾ・ピアノ設計のサイ・トゥオンブリーギャラリーがヒューストンのメニル・コレクションに開設され、2010年にはルーブル美術館の大天井画を手掛ける。(1953年のジョルジュ・ブラック以来)なお、1996年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞している。
現在、アヴィニョンのランベール・コレクションにて個展『Le temps retrouvé』(6月12日–10月30日)が開催されている。
(文中敬称略)