記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014 @ 三菱地所アルティアム


「消えゆく風景̶ー葉である理由」2007年 courtesy of Yuan Goang-ming

記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014
2014年9月6日(土)-10月5日(日)
三菱地所アルティアム(イムズ8F)
http://artium.jp/
開館時間:10:00-20:00
休館日:9月16日(火)
※オープニングレセプション:9月6日(土)18:30-20:00

三菱地所アルティアムでは、台湾におけるビデオアートの第一人者として知られるユェン・グァンミン[袁廣鳴]の初期作品から最新作品「エネルギーの風景」、「占領第561時間目」まで、9つの代表的な作品とビデオ・ドキュメンテーションを回顧展形式で紹介する展覧会『記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014』を開催する。

ユェン・グァンミンは1965年台北生まれ。国立芸術学院(現国立台北芸術大学)を経て、97年に国立カールスルーエ造形大学で修士号を取得する。80年代半ばより、ビデオアートの制作をはじめ、これまで一貫して自分、家、家族といった日常を中心的なテーマにしている。90年代半ばより国際的にも評価が高まり、2000年代に入ると、ケーブルカムによる直線移動の映像作品に取り組みはじめる。

これまで参加した主な国際展に、光州ビエンナーレ(1995、2002)、台北ビエンナーレ(1996、1998、2002)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003)、リバプール・ビエンナーレ(2004)、シンガポール・ビエンナーレ(2008)、 アジア・パシフィック・トリエンナーレ(2012)などがある。日本国内では、第3回ふくい国際ビデオビエンナーレ(1994)、ICCビエンナーレ97や、三菱地所アルティアム(2000、2009)、広島市現代美術館(2003)、森美術館(2008)の企画展に参加、福岡のモマ・コンテンポラリーでは2000年、2002年に個展を開催しており、ここ数年間も、第4回恵比寿映像祭(2012)、堂島ビエンナーレ2013、『Traces of Disappearance(消失の痕跡)』(2014年、エスパス ルイ・ヴィトン東京)にて作品を発表している。


Above: 「エネルギーの風景」2014年 courtesy of Yuan Goang-ming. Below: 「占領第561時間目」2014年 courtesy of Yuan Goang-ming.

本展は、回顧展形式での紹介となるが、最新作品の「エネルギーの風景」は日常を中心的なテーマとしてきたユェンが、東日本大震災以後、自宅から半径20キロ圏内に原発があることに気づいたことを出発点に、日常の範囲を物理的、観念的に拡大して制作。また、「占領第561時間目」は2014年3月18日から24日間、台湾の立法院を学生たちが占拠した出来事を扱っている。そのほか、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ台湾館で発表した「都市失格—西門町(夜)」(2002)、上述した恵比寿映像祭や堂島ビエンナーレで発表した「消えゆく風景 – 経過 II」(2011)のほか、同作品に関連するユェンの父親が登場する「消えゆく風景ー経過I」(2007)も、ビデオ・ドキュメンテーションとして紹介する。

なお、ユェン・グァンミンは本展と同時期に開催される第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014(9月6日〜11月30日)にも参加する。

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