“Pearl Diving” ©Simon Fujiwara Courtesy of TARO NASU
サイモン・フジワラ「Pearl Diving」
2016年1月16日(土)-2月13日(土)
TARO NASU
http://www.taronasugallery.com/
開廊時間:10:00-18:00
休廊日:日、月、祝
※レセプション:1月16日(土)18:00-20:00
TARO NASUでは、自伝的要素や家族史を起点に、創作を交えた物語を映像作品やレクチャーパフォーマンス、インスタレーションなどの形式で発表するサイモン・フジワラの個展『Pearl Diving』を開催する。
サイモン・フジワラは1982年ロンドン生まれ。日本人の父親とイギリス人の母親のもと、両親の母国を含む世界各地で幼少期を過ごし、その後、ケンブリッジ大学で建築、フランクフルト造形美術大学で美術を学ぶ。2010年のフリーズ・アートフェアでカルティエ賞を受賞。近年は、テート・セントアイヴスでの大規模個展の開催、第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ北欧館(2009)、第3回シンガポール・ビエンナーレなどで作品を発表。現在、ミラノの美術雑誌ムース[Mousse]が考案、運営し、アーティストの映像作品を期間限定で公開するオンライン・プラットフォームVdromeで、「New Pompidou」(2014)を公開している(1/20まで)。日本国内でも、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015、堂島ビエンナーレ2015、六本木クロッシング2013(森美術館)、『ゼロ年代のベルリン』(東京都現代美術館、2011)などがある。
本展では、養殖真珠の生産過程をテーマに立体作品を中心とした展示を行なう。パールネックレスで知られるミキモトの創業者、御木本幸吉が世界で初めて確立した真珠の養殖方法は、生きたアコヤ貝の中に貝殻やガラス片等の粒を埋め込み、異物に対する貝の自己防衛を利用してその周りに真珠層を形成させるというものであった。フジワラは自らの体を用いて、養殖真珠の生成の過程を「遡る」ことを試み、「完成された調和」としての真珠を意図的に破壊することで、美の陰にひそめられた「愛」と「暴力」の本質を明るみにさらす。また、異文化の衝突や異物としての他者に言及する本展で語られるのは、フジワラ自身の両親の結婚についての物語でもある。
サイモン・フジワラは本展と同時期に、東京オペラシティ アートギャラリーでも個展『サイモン・フジワラ ホワイトデー』を開催。同展では、展示室全体を工場に見立てた展示を展開する。
ART iT Interview Archive
サイモン・フジワラ「物[オブジェ]の考古学」(2012年2月掲載)
サイモン・フジワラ ホワイトデー
2016年1月16日(土)-3月27日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/